野鳥の楽園を見た 積水ハウス「コモンステージひたち野パルケ・デル・ソル」
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野鳥の楽園を見た。カワウのつがいがダンスを踊っていた。30〜40羽のコガモが群れをなして水上を滑っていた。セキレイは庭先で遊んでいた。名も知らぬ小鳥が路上で愛を交し合っていた。 ここは、積水ハウスが3年前から分譲している「コモンステージひたち野パルケ・デル・ソル」だ。JR常磐線ひたち野うつくし駅から徒歩13分の全136区画の団地で、現在分譲中の戸建ての土地面積は約194〜234平方b、建物面積は約126〜132平方b、価格は4,590万〜5,140万円(最多価格帯4,900万円台)。敷地南側には約6万平方bの公園が広がる。 同社独自の「5本の樹」計画に基づき整備された団地だ。5本の樹計画とは、“3本は鳥のために、2本は蝶のために”という思いを団地計画に盛り込んだもので、日本の原種や自生種、在来種にこだわり植栽しているものだ。同社の街づくりの進化型で、10年ぐらい前から取り組んでいる。 ◇ ◆ ◇ 「木の名前と、鳥の名前と、虫の名前を覚えると、1歩歩くごとに人生3倍楽しくなる」――記者がかつて、東急不動産グループの石勝エクステリアの社長を務めていた涌井史郎氏(現桐蔭横浜大学教授)から聞いた言葉だ。自然との共生がいかに大切かを説いた言葉だ。 涌井氏はこうも言った。「何事も事業で一番大事なのは現場主義。それも鳥のように空から俯瞰して事業を組み立てるのではなく、虫の視線で組み立てていくこと」だと。 積水ハウスの取り組みはまさにこの自然との共生だ。最近の首都圏の建売住宅といえば、敷地面積が30坪、建物面積は26坪程度が主流で、植栽を含めた外構費用はせいぜい数十万円だ。 話を聞いた同社つくば支店不動産課主任・相澤純一氏によると「お客さまの中には、当社の団地を見学するのをためらわれる方もいらっしゃる。あまり立派すぎて、手が届かないと考えられるようです」と。 いかに最近の戸建ての植栽計画が貧弱かということを物語っている話だ。同社は外構には数百万円かけるという。豊かな植栽計画は、道路を隔てた隣の街区の街並みと比較すると一目瞭然だ。隣の街区も敷地区割りは大きいが、緑はまばらだ。 ◇ ◆ ◇ 同社は2月28日(日)、環境省やNPO法人とともに「いきもの観察会」をこの団地内で行う。午前と午後の各1時間30分の2回で、定員は各20人。既に定員を上回る応募があるという。 いきもの観察会もまた「木の名前と、鳥の名前と、虫の名前を覚えると、1歩歩くごとに人生3倍楽しくなる」の実践に他ならない。団地の樹木には1本1本、木の名前と手入れの方法などが書き込まれたネームプレートがかかっていた。
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(牧田 司 記者 2010年2月22日) |