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旭化成ホームズ 狭小敷地の建て替えに照準

「ヘーベルハウス フレックス G3 」新発売


「ヘーベルハウス フレックス G3」完成予想図

 旭化成ホームズは1月7日、中層住宅用システムラーメン構造の「ヘーベルハウス フレックス」をリニューアルし、性能向上とともにコストダウンを実現した3階建て住宅「ヘーベルハウス フレックス G3」を1月9日から発売すると発表した。

 今回のリニューアルは、最大で6.4メートルのワイドスパンにすることで開放的な住空間を実現。さらに耐火構造にも対応し、躯体性能を生かして光・風・緑を取り込むなどの工夫を凝らしているのが特徴で、都市部の狭小敷地の建て替え市場における競争力強化を目指す。

 記者発表会に出席した同社・波多野信吾社長は、「建て替え戦略の一環として満を持してのリニューアル商品。敷地が 20 坪前後でも建て替えが可能で、資産価値も高く、社会的に意義のある商品。当社の商品はもともと建て替え比率が高く5割ぐらいあったものが、最近は47〜48%に落ちてきている。これを6割ぐらいに伸ばしたい。この特徴を、地域密着型のきめ細かな営業で大幅な受注増に繋げたい。全国で狭小敷地は750万棟もある。今年は3階建てと建て替えをメインにしていく」と語った。

 同席した渡辺衛男常務も「難しい市場だが、建て替え市場はいわば本丸。@耐火仕様AワイドスパンBG3を武器に本丸を目指して活路を開いていく。今年をフレックスイヤーの年にしたい」と抱負を述べた。

 総面積176.38uのプロトタイプで本体価格は3,870万円(坪72.5万円)。販売目標は年間500棟。同レベルの従来商品と比べ坪単価で約5万円のコストダウンを実現したという。

 「G3」とは、緑のスクリーン「GREEN FRAME」、通りに面して街とのつながりや多目的な用途を将来的にも可能とする「GREETING PILOTI」、都市の密集地でも3階の利点を活かして創エネ機器をより効率的に活用できる「 GREEN ENERGY」の3つの「G」を指す。

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 記者は戸建て注文住宅のことはよく分からないが、波多野社長や渡辺常務の意気込みがひしひしと伝わってきた。

 話を聞きながら、オープンハウス・ディベロップメントが既存の人気住宅街でメゾネット型の中小規模マンションを相次いで分譲し、人気を呼んでいることと重ね合わせていた。戸建てとマンションの立地は異なるが、似たところもある。戸建ての建て替えで圧倒的なシェア(8〜9%)を持つ同社がこの商品で一層のシェア拡大を図るのも頷ける。

 と同時に考えたのは、大都市圏での木造密集地の再開発にこの発想は生かせないだろうかともずっと考えていた。

 そこで波多野社長に「御社はマンションの建て替えや再開発の実績が豊富だ。そのノウハウを木造密集地の再生には生かせないのか」と質問した。

 波多野氏もそのことを視野に入れているようで「地域住民の合意形成は当社のもっとも得意とするところ。どんどん町内会に入っていって、地域の住民と一緒になって考えていきたい。そうすれば、G3が連なるタウンコーポや小公園などを設けたタウンビレッジも可能だろう。是非ともやっていきたい」と語った。

 これが成功すれば新しいビジネスモデルになるかもしれない。あと10日で阪神・淡路大地震の15周年を迎える。大都市圏での木造密集地の再生は待ったなしだ。

(牧田 司 記者 2010年1月7日)