大和ハウス工業 女性のための住空間「コクームスペース」 夜のコクームスペース シーン |
大和ハウス工業は11月24日、高級スキンケアのトップブランド「SK- U」との住宅業界初の全面的なコラボレーションによる、機能性と快適性を追求した、女性のための住空間「コクームスペース」を来年1月から同社戸建住宅商品「xevo (ジーヴォ)」に盛り込み発売すると発表した。同日、「コクームスペース」を展示している豊洲の「CAFE:HAUS」で発表会を行った。「CAFE:HAUS」では11月25日から来年1月10日まで展示される。 「コクームスペース」は、共働き夫婦をターゲットとする戸建住宅新商品に標準で搭載する予定で、英語の繭「cocoon」と部屋「room」、空間「space」から採用した造語。空間全体の照明や天井高を工夫することにより「おこもり感」を出すことで、「心地よさ」を演出する。また、照明や収納にこだわったメークカウンターにより機能性と快適性を追求。スキンケアとメークを通じた女性のためのリラクゼーション空間を提案する。約6畳大のプロトタイプで費用は105万円(税込み)。 提案の背景として、同社は「これまでの住宅における女性への提案は、日々の生活視点での提案が中心であり、『いつでも美しくありたい』という女性の本質的な望みを住まいの中でサポートできておらず、美容に関する提案は洗面化粧室などのスキンケアやメークを行う空間に限定されていた。 また、一般的に男性がマイホームを取得する際には自分だけのスペースとして書斎や趣味室など要望するケースが多いことに比べ、女性が自分専用の空間を要望することは少なく、結果として提案も不十分だった」としている。 ◇ ◆ ◇ いい提案だ。記者は、発表会で関係者の話を聞きながら、同じ提案ではないが、三井不動産レジデンシャルが「二人のリビング・趣味のリビング」「妻のリビング」「夫のリビング」の3つの空間を提案したマンション「パークホームズ滝野川」を分譲したのを思い出した。 主婦が自分だけの居住空間を持ちたいというニーズは間違いなくある。これまでどこも提案してこなかったのか不思議なくらいだ。その費用として105万円というのも納得できる。同社が受注する戸建ての価格がいくらか分からないが、仮に3,000万円とすれば、その3%強に過ぎない。消費税より低い。 記者と同世代のある主婦に聞いた。「もちろん(自分のスペースが)欲しいわよ。私、旦那に言ったことあるもん。『あなたの本がいたるところに置けるスペースがあり子ども部屋もあるのに、どうして私の部屋がないの? 』と言ったら、何て答えが返ってきたと思う? 『この家はリビングも含め全てあんたのもんだよ』と」(このご主人も立派) 化粧中心の空間には異論はあるが、多目的スペースとして提案するのは大賛成だ。記者は約10年間、「主夫労働」を完璧にこなした(と思っているだけだが)。小さな子どもの食事から、洗濯、掃除(これはあまりやらなかった)、アイロン掛け、弁当作りなどすべてやった。 「主婦労働」を月額賃金に換算したら、最低でも25万円はするとはじき出したくらいだ。世の主婦は「自分のスペースが」が欲しいと堂々と主張すべきだろう。105万円は安いものだ。 ◇ ◆ ◇ 意図がよく分からなかった部分もある。この日の発表会には「SK- U」のほか「美魔女コンテスト」ファイナリスト4名が登場したことだ。「SK- U」は、韓国のプロ野球球団SKと関係があるのかとも思ったぐらいだ。あとでいろいろ聞き、どのような化粧品かおおよそ分かった。「価格はちょっと高いが、ワンランク上」の化粧品ということのようだ。女性の心理としてそのような化粧品を選ぶのもよく分かる。 分からないのは「美魔女」だ。「美人」と「魔女」を兼ね備えた人でもなさそうだし、「美人」と呼ばれるほど美人でなく、「魔女」と呼ばれるほど男の心を惑わす人でもなさそうに記者には思えた。 隣りに座っていた同世代という「アラフォー」の女性記者に聞いたら「話題づくりよ」と教えてくれたが、その「美魔女」4人の化粧時間が30分から長い人で1時間というコメントにはびっくりした。 そこで、よせばよかったが、つい質問してしまった。「そんなに化粧に時間をかけてどうする。容姿・容貌はさずかったもの。それより心を美しくすることに時間をかけてはどうか」と。さらに「夫婦仲が悪ければ女性は絶対美しくなれない。夫婦仲がよくなる住宅の提案をして欲しい」と言い放ってしまった。 この質問に、専業主婦という高津麗奈さん(38)からは見事な答えが返ってきた。「内を磨くのも外を磨くのも一緒。内にあるものが外にも出る。化粧は打ちにあるものを出すこと」と。記者が審査員なら高津さんに「美魔女」グランプリに1票を投じる。化粧に1時間もかけるのだから、他のことも完璧にこなすのではないだろうか。
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(牧田 司 記者 2010年11月24日) |