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早期完売間違いなし

モリモト・近鉄不動産「ピアース中目黒ローレルアイ」


「ピアース中目黒ローレルアイ」完成予想図

 

 モリモトがモデルルームをオープンしたばかりの「ピアース中目黒ローレルアイ」と「アールブラン大井町レジデンス」を見学した。双方とも早期完売間違いなしのいい物件だ。まず「中目黒」から紹介したい。

物件は、東急東横線・日比谷線中目黒駅から徒歩6分、目黒区中目黒1丁目に位置する 5 階建て全84戸の規模。専有面積は39.33m2〜84.63m2、価格は未定だが坪単価は330万円くらいになる模様だ。竣工予定は平成24年1月下旬。設計・監理はIAO竹田設計。デザイン監修はプランテック総合計画事務所。施工は大日本土木。売主は同社のほか近鉄不動産(事業比率は50:50)。

現地は、山手通りから一歩入った目黒川沿い。用途地域は準工だが、嫌悪施設はほとんどない。かなり住宅化が進んだエリアだ。敷地南側は学校のグラウンド(フットサル)。敷地南西側に中央環状品川線の「中目黒換気所」が建設中だが、工事が完了すれば囲いは取り払われる。

 住戸プランは、内廊下を中心にワイドスパンの南東向きと北西向きからなっている。南東向き住戸は 70 平方b台のファミリータイプが中心で、北西向きは40平方b台のコンパクトタイプが中心だ。コンパクトタイプも廊下スペースを少なくするなど、よく練られたプランだ。

 設備仕様レベルも高い。フローリング、建具・面材は突き板仕様。玄関の床、キッチン・洗面の天板は自然石を採用。女性の視点で採用した同社オリジナルの「花生活」もフル装備されている。

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 同社のマンションを見るのは、今年に入って8棟目ぐらいだろうか。「西蒲田」だけは「これが売れるのか」と思ったが、あとはモデルルームを見た瞬間「これはいい」という物件ばかりだった。この物件もそうだ。立地・環境を考えれば単価は納得だし、プランもよく考慮されている。

 平均すると価格は6,000〜7,000万円台と4,000万円前後だろうが、購入層にぴったりのデザインだ。断っておくが、記者はいつもデザインについて書くが、デザインとは単に意匠だけではない。もちろんカラーリングは重要な要素だが、それ以上に素材感や使い勝手などを重視している。

 この「中目黒」の立地を考えると、購入層は普通のサラリーマンやDINKSよりは年収が高くて、なおかつ代官山や恵比寿なども徒歩圏であることから、「お洒落」な都心生活を望む層だろう。そうしたニーズに応えるマンションだ。前建の影響は受けそうだが、そうした難点を克服して余りある商品企画だ。

 「この物件の間取りを決定するまで、企画・営業、それに財務の担当者を含め数十回もやり直しています」−−物件担当者の声を紹介しておこう。

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 この物件の外観デザイン監修を担当しているのは大江匡氏で、エントランス・インナーデザイン監修は藤原益男氏だ。藤原氏は物件ホームページで次のようなコメントをされている。引用しよう。

 「私は、デザインの作業にあたって、コンセプトという言葉をあまり使いたくありません。コンセプトという言葉からは、“机上で考えられたひとつの正解”というニュアンスを感じるからです。たとえば、素材選びを考えたとき、本物とフェイクがありますが、本物の素材に誰もが本物を感じるとは限りません。最近は、本物以上に本物らしいフェイクもありますから。ならば、本物の空間をめざして、フェイクの素材を使うことだってありうるわけです。大切なのは、正解はいくつもあって、その中から『今回はこの正解をめざそう』という姿勢や尺度だと思うのです。つまり、価値観を根底で共有するためのフィロソフィー。コンセプトが上に積み上げていくものならば、フィロソフィーは原点へ掘り下げていくものであり、それによってつくり手と住まい手が共通の認識で結ばれれば、その先に“本物の正解”が見えてくると信じています」

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 記者が訪ねたのは午前11時頃だったが、すでに6〜7組の見学者がおり、待っている人もいた。同社によると、営業対応は7人で1日3クール。12月の初旬まで土曜・日曜日の予約は満席だという。  

(牧田 司 記者 2010年11月19日)