新たな街発見 リスト「リストレジデンス横濱伊勢佐木」 「リストレジデンス横濱伊勢佐木」完成予想図 |
物件は、京浜急行本線黄金町駅から徒歩4分、又は横浜市営地下鉄阪東橋駅から徒歩6分、横浜市中区末吉町2丁目に位置する10階建て全72戸の規模。専有面積は55.28u〜65.07u、価格は未定だが、坪単価は170万円台になる模様だ。竣工予定は平成23年11月中旬。設計・監理はビゾン建築設計事務所。施工は南海辰村建設。 見学した目的は、駅近で専有面積が狭い分、価格も低くなるので面白い商品企画だと思ったからだ。単価も随分低いと思った。3方が道路で、道路を挟んだ南側にはノッポビルが建っており、日照は若干遮られそうだが、敷地西北側には桜並木と大岡川が流れる。 外観のデザイン監修はエドワード鈴木氏で、設備仕様では、オール電化、同社オリジナルの化粧品などが入れられるポケット付きの洗面化粧台が採用されている。またエコにも力を入れており、太陽光発電により電気自動車だけでなく電動アシスト自転車や電動バイクが利用できる設備を設置する。さらに、電動アシスト自転車を4台配備し、入居者が利用できるようにするという。 ◇ ◆ ◇ これだけなら早期完売は間違いないと思った。ところが、ネックもあった。少し長くなるが、その理由を以下に紹介する。 現地を訪ねるのに利用したのは、「黄金町」ではなく「坂東橋」だった。方向が分からずうろうろしていたら、おじさんから声を掛けられた。「どこへ行くの? 」「コガネマチはどう行けばいいんですか」「ン? ああ、コガネチョウね。あっちだよ」と笑われた。 なるほど、「黄金町」は「コガネチョウ」と読まないといけないことが分かった。記者は、駅があることは知っていたが、「黄金町」を全然知らなかった。 現地を見学して、やがてびっくりする。近くに駅名か地名から取ったと思われる「○○劇場」なる店が目に入った。木造2階建ての古い建物で、一見、何を営業している店か分からない。店頭に手書きの「本日500円」の紙が張られていた。しばらくすると、「ようこそ愛に満ちたステージへ」という、マンションのキャッチフレーズでも通用しそうな、一見していかがわしい店が見つかった。その隣りにも「土地白書」でも「いちご白書」でもない「○○白書」なる店があった。 マンションの近くにある「伊勢佐木モール」は、レトロな感じのする素敵な通りだが、一歩路地に入るとそこは異様な街だった。現在読んでいる小説「阿片王−満州の夜と霧−」(佐野眞一著、新潮文庫)に出てくる「魔都・上海」がこのような街なのだろうと想像した。「見るだけはタダ」「写真もOK」などと何度も声を掛けられた。外国人にも通用するように「18歳未満お断り」を示す不可思議なマークがみんな張られていた。 同社の販売担当者や横浜在住の記者などに話を聞き、さらに会社に戻って「黄金町」について調べたら、「黄金町」は「魔都・上海」のイメージが的外れでないことが分かった。 Wikipedia には「戦後は ヒロポンや麻薬の密売所と非合法の特殊飲食店街(いわゆる青線地帯)に様変わりした…警察官の巡回すら身の危険を感じて出来ない程荒んだ環境であったという」と書かれている。 今は、街も随分浄化≠ウれたようだが、夜、路地を歩くのは怖いと思った。 しかし、地元の人や、このマンションの購入を検討する人は「黄金町」がどのような街なのか百も承知のはずだ。販売担当者が「外国人向けに宣伝することも考えている」というのは正解のような気がした。 今日は、記者が知らない新たな街を発見してやや興奮している。それにしても「住んでみたい街」に常時1〜2位にランクされる「横浜」とは、みんなどのような街を想像しているのだろうか。やはり人気が高い「吉祥寺」にもいかがわしい一角がある。 |
(牧田 司 記者 2010年11月5日) |