「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2010」 本日10月28日から11月3日まで開催 「未来のつくりかた展」会場 |
「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」は、“デザイン”が私たちの生活をより楽しく、より豊かにするという考え方のもと、インテリアやグラフィックはもちろん、音楽など文化を形づくる全てのものを“デザイン”ととらえ、「デザインを五感で楽しむ」をマスターコンセプトに2007年から開始されているもの。 今年のテーマは「未来のてざわり」。世界的に名高いインタラクティブ・アートの文化機関である「アルスエレクトロニカ」(オーストリア・リンツ市)とコラボレートし、デザインとテクノロジーの融合から生まれた“未来”を感じられる作品が展示されている。 このほか、才能あるデザイナーやアーティストとの出会い・応援を目指したアート・デザインのコンペティション「Tokyo Midtown Award 2010」の受賞作品発表や、第一線で活躍するクリエイター・アーティスト・デザイナーによる講演、2010年度グッドデザイン賞受賞デザインを展示する「GOOD DESIGN EXHIBITION」などのイベントが実施される。
◇ ◆ ◇ 三井不動産は、「東京ミッドタウン」を新しいデザイン情報発進拠点として位置づけており、「東京ミッドタウン・デザインハブ Tokyo Midtown Design Hub」も設置している。記者は、今回の「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 」を見学するのは初めてだが、ずっと興味を持っていた。 今日はあいにくの雨天で、真冬のような寒さだったので、全てを回らなかったが、約2時間かけて様々なイベント会場を回った。一言でいえば「面白い」。期間中18のイベントがほとんど無料で行われるので、是非足を運ぶことをおすすめしたい。 やはり一番のお薦めは、「アルスエレクトロニカ」とコラボした「未来のつくりかた展」だ。目を動かすだけで絵が描ける「アイライター」、音や人の気配に反応するフレーム「スイッチ」、自分の影絵をシールにできる「シャドウグラム」、ペットボトルを利用した壁掛けタイプの野菜・花飾り棚などが提案されている。 とくに「アイライター」は、手や足とも連動させたり、あるいは声などによっても絵が描ける可能性を暗示している。「スイッチ」は聴覚や視覚障害者向けのサインにも応用できそうだ。 電子ペーパーを使った新しい表示の時計を提案している「SMART CANVAS×8」もいい。「時ってなんだろう」を考えさせてくれる。詩人の谷川俊太郎氏は直筆の漢字と「ぺろぺろ もぐもぐ ぱくぱく」「くすくす にこにこ げらげら」などの詩を組み合わせ、「時間をその源である時に戻そうとする試み」を行っている。 記者は、時間(時計)に追われるのが嫌で、もう40年近く時計をはめていないが、例えばインタビュー時間を1時間と区切れば、ほとんどきっかりに終える自信がある。時間とはそんなものだろう。 ◇ ◆ ◇ わが国では、「デザイン」は記者もそうであったように「意匠」や「形」などとして理解されてきたが、本来は思考や概念を組み立てる作業のことをさす。最近流行りのユニバーサルデザインはその典型例だろう。「フードデザイナー」なる職業もあるらしく、「デザイン」の可能性は無限だ。「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」が成功することを期待したい。 |
(牧田 司 記者 2010年10月28日) |