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同業も必見!モリモト「ピアース笹塚」


「ピアース笹塚」完成予想図

 
  モリモトがモデルルームをオープンしたばかりの「ピアース笹塚」と「ディアナコート代沢」を見学した。後者は後回しにして、まず「笹塚」から紹介しよう。

 物件は、京王線笹塚駅から徒歩7分、渋谷区笹塚3丁目に位置する6階建て全31戸の規模だ。用途地域は近隣商業地域・第1種住居地域で、建ぺい率80%・60%、容積率300%の地域だ。専有面積は40.38m2〜68.13m2、価格は未定だが、坪単価は280万円ぐらいになる模様だ。完成予定は平成23年7月下旬。設計・監理は庵都市建築設計事務所、デザイン監修はウイ・アンド・エフ ヴィジョン(石倉雅俊氏)。施工は大旺新洋。

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 まず、現地から先に見学した。笹塚駅北口の高速道路を渡り、水道道路を渡ってすぐの戸建てや中層のマンションなどが建ち並ぶ普通の住宅街だ。駅から7分の表示だが、それより遠く感じた。笹塚駅圏ではここ数年間、全く供給がないエリアで、駅近ならもちろん坪300万円を突破してもおかしくないが、立地・環境を考慮して、記者は売れる価格≠ニして坪単価250万円をはじき出した。

 それからモデルルームを見学し、販売担当者に聞いたところ、坪単価は280万円ぐらいになるとのことだった。記者は「この単価では戸数が少ないとはいえ、完売まで時間がかかる」と判断した。

 ところが、モデルルームを見て、「この単価でも早期完売するかも」に変わった。最近分譲されている京王線のどの物件と比較してもデザイン、設備仕様は負けないと思った。玄関・廊下の床は全て同社の高級マンション「ディアナコート成城翆邸」でも採用した「セルベシャンテ」という大理石で、システムキッチンのカウンタートップと袖壁は天然の御影石だ。

 また、キッチンと洗面には、今秋の物件から採用した「女性の感性を生かし、住む人の立場に立って住空間を提案するモリモトの『花生活』」が採用されていた。一部の大手デベロッパーが採用している下足小物入れ、シンク裏包丁差/ホーロー床板/スライド収納、洗面化粧台下部収納などだ。このほか、ドアの把手は手づくりの特注品だし、クロスやドアのデザインも高級館のするものが採用されていた。プランは内廊下方式で、角部屋住戸の比率を 83 %に高めているのも特徴だ。

 販売担当者によると、営業マン6人体制でシルバーウィークまで予約見学がいっぱいだそうだ。

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 記者は、ここ数年、モリモトが分譲したマンション(十数件にのぼるはずだが)をほとんど見学している。現在、売れ残っている物件は1つもない。竣工して1年、2年経っても売れ残り、大幅値下げしてやっと売れるという中堅デベロッパーの厳しい市況化で、これほどの売れ行きを見せているのはモリモト以外ないだろう。しかも同社は再生企業だ。

 この物件に限ったことではないが、モリモトのマンションを見たことのないデベロッパー幹部、とくに中堅デベロッパーの経営者にはぜひこの物件を見学してほしい。営業マンの尻を叩く前にこの物件を見てほしい。見れば、なぜ自社のマンションが売れないのかという疑問が氷解するはずだ。見学を断られたら、1日分の自らの報酬を「見学料」として払ってでも見るべきだ。それだけ価値がある物件だ。

   
同社が今秋の分譲物件に標準装備する「花生活」の一部(左はキッチン、右は洗面下収納)

(牧田 司 記者 2010年9月9日)