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「かずさアカデミアパーク」破たん なぜここまで放置した

 報道によると、千葉県や木更津市、君津市、金融機関などが出資している第三セクター「かずさアカデミアパーク」が1月25日、千葉地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。負債総額は57億円。

 同社は平成3年、千葉県が推進する「かずさアカデミアパーク構想」の中核的施設として設立。同構想は「千葉新産業三角構想」の一つとして位置づけられていた。しかし、設立したときはすでにバブルが崩壊。その後の施設運営は厳しく、大幅な欠損計上を余儀なくされ今回の措置となった。

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 記者は、このニュースを聞いて、むしろ同セクターが存在していたことに驚いた。とっくに処理されていたと思っていた。「千葉新産業三角構想」の中で成田や幕張新都心はともかく、アクセスに難がある同構想が順調に推移するとはバブル期ですら思えなかった。

 今から5年前、記者は木更津市内の区画整理事業について取材したことがある。当時、区画整理事業を推進してきた前市長の汚職問題が持ち上がり、笹子地区の約90ヘクタールの区画整理事業は事業継続が困難なことから中止、市街化調整区域に逆線引きされるなど、多くの区画整理事業が破たん状態≠ノあった。「かずさアカデミアパーク構想」が実現するなどとは誰もが思っていなかったはずだ。

 あれから5年。ようやく民事再生手続きが取られた。バブル崩壊から20年もたっている。よくもまあこれまで税金を垂れ流してきたものだ。県や市などの経営責任が問われて当然だ。

 唯一救われるのは、先日、三井不動産が発表したように都市再生機構が施行者の「金田東特定土地区画整理事業」地内で同社のアウトレットパークが開発されることが決まったことだ。 

(牧田 司 記者 2010年1月26日)