東急不動産 シニア向け「グランクレールセンター南」 2月1日オープン 「グランクレールセンター南」外観 |
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同施設は、横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「センター南」駅から徒歩3分、横浜市都筑区茅ヶ崎中央に立地する地下2階地上8階建て全124戸の規模。満60歳以上の健常な人が入居対象となる。専用面積は約39〜97平方b。同社グループが運営するシニア向け住宅の中で最大級の施設で、平成15年度から参入したシニア住宅事業で蓄積したノウハウの基幹となる施設。 建物の約50%が共用部分となり、ダイニング、大浴室、シアタールーム、ライブラリー、娯楽室、ゲストルームなどが設置される。ホテルライクなサービスも行う。 建物内の低層部にテナントフロアを設け、クリニック、デイサービス施設、横浜市認可保育所、絵画教室なども誘致する。開業後は入居者と保育所児童との交流も企画する。環境問題にも積極的に取り組み、年間約27tのCO 2排出量を削減する。 入居費用は月払い方式と一括払い方式の2種類があり、2LDK(約65平方b)の場合、月払い方式は入居時に約900万円、月額費用は約37万円、一括払い方式では入居時70歳の人は約6,230万円(228カ月分)、80歳の人は約4,340万円(144カ月分)、月額費用は約12万円となる。償却期間内に契約が終了した場合は、返還金が支払われる。 昨年10月から1期(56戸)の入居募集を行っており、現在、35戸が契約・申し込み済み。販売が好調なことから、引き続いて2期の募集を始める。
◇ ◆ ◇ 記者は、この種の住宅にはうとく、すぐ分譲マンションと比較してしまう。立地条件からして、分譲なら坪単価は250万円(有効率85〜90%として)はくだらない。敷地の北側には都筑中央公園が広がる借景を考慮するともっと高いかもしれない。20坪として最低5,000万円だ。 この施設の共用部分は約50%(有効率)だから、分譲なら単価は倍になる。とすると、共用施設の利用、サービスを考えると間違いなく20坪で億ションの価値があると見た。 これは決して的外れでないと思う。至れり尽せりの施設を利用できるのだから、元気なお年よりにとっては割安だろう。一流ホテルのシェフをしていた人が作るという朝昼晩の食事費用も原価並みの1,470円で済む。 ◇ ◆ ◇ 記者が注目したのは年齢別償却期間だ。60歳の27年(324カ月)から82歳以上の10年(120カ月)までほとんど年刻みで設定されていた。同業他社の場合は80歳を境に、80歳以下は一律15年、80歳以上は12年とか10年となっているようだ。 償却期間設定が長いほうがいいのか短いほうがいいのかは微妙だが、高齢者の1年は若年層の1年ではない。年刻みに設定している同社のほうが良心的だと思うがどうだろう。途中解約の場合は、返還金が多いような気がする。 もう一つ、食事について。食事代が高いか安いかは食べてもいないので分からない。記者が体験宿泊した老人ホームはほとんどがはっきり言ってまずかった。什器類もそまつなものが多かった。唯一、美味しかったのはある飲食会社が運営する老人ホームで飲んだエスプレッソコーヒーだった。抜群の味がした。後で聞いたら、それはリッツ・カールトンのホテルで使用している豆と同じのを使っていた。 入居者にとって食事が美味しいかまずいかは大きな問題だろうから、今度記者内覧会を行う場合は、試食もお願いしたい。 さらに付け加えれば、記者は何度も書いているが、「特別養護老人ホーム」「有料老人ホーム」などの差別語を堂々と使用している法律の改正を始め、複雑な高齢者向け住宅の制度を改めてほしい。 |
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(牧田 司 記者 2010年1月25日) |