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顧客のミリ単位の要望にこたえる三菱地所ホーム

この時期でも断トツの受注棟数2ケタ伸び率

運がよければ一勝できるか


鈴木監督兼投手

 

 かつて RBA には3人の強打者がいた。東急リバブル岡住、伊藤忠ハウジング杉山、三菱地所ホーム鈴木の各選手だ。お互い、年齢が近いこともあって打撃成績を競い合っていた。40歳になった岡住は現在でも4番を打っている。杉山も主砲として昨年は2本の本塁打を放った。

 ところが、鈴木だけは歳をとるごとにごとに成績はダウン。監督兼投手として頑張ってはいるのだが、出ると負け≠繰り返している。記者は、発奮させるために口撃≠仕掛けるのだが、いつもから回り。お互いがののしりあう′級ハとなる。(昨年は奇跡的に1勝したのをしっかり見てはいるが)

 そこで、今年こそはどうしたら一勝できるかを 2人で作戦を練るために出かけたのだ。取材先は鈴木選手が所長を務める東京西事業部武蔵野ホームギャラリー。しかし、本業の話に入って、目先の1勝などどうでもよくなった。

 だから仕事の話から書く。鈴木所長はこう切り出した。「牧田さん、ご存知かどうか。当社は大手10社、中堅5社の08年の受注棟数ランキングで前年比12%増の断トツなんですよ。今年1〜3月も同様に前年同期比17%も伸びているんです。ほかで前年比プラスになっているのは一條工務店さんですが、1%台です」

 見せてもらったのは、鰹Z宅産業研究所「住宅産業エクスプレス」 (4月20日付) だった。そのデータを見たとたん目がうろこ、点になった。他の大手ハウスメーカーは軒並み二ケタ台のマイナスなのに、同社だけが突出して伸びていたからだ。鈴木氏は付け加えた。「社内でもみんな間違いじゃないのと<rックリしています。相談ブースが満席なのを見られるお客さまにも『この不況に、おたくの会社は儲かっているようですね』といわれます」と。

 この時期に、どうして二ケタの伸びを確保できたのか。返ってきた答えはこうだ。「当社は、手間ひまを掛けてお客さまのどんな小さな要望にも答えています。ご要望にあわせて、壁の位置を1ミリだろうが2ミリだろうが移動させます」

 要するにミリ単位で顧客のニーズに応えているのが、この時期でも棟数を伸ばせることができるのだ。 そんな仕事をこなしている選手たちが出ると負け≠繰り返したってどうでもいいではないか。(記者なんぞ坪単位でしかものごとを考えられない。しかも万円だ。頭が下がる)

 そんなわけで、このチームには負けてもいい。精一杯頑張れ≠ニエールを送りたい。運がよければ1勝ぐらいできるかもしれない。

 鈴木氏は、戦い方について次のように語った。「これまでは初練習が初戦ということもありましたが、今年は初動を早めます。40歳の私が投げて、45歳の後藤につなぐ継投策になると思いますよ」

 やる気がないわけではない。勝てないだけだ。それだけのことだ。


鈴木氏が所長を務める武蔵野ホームギャラリー(同社は「展示場」と呼ばない。ここにもこだわりがある)
 

(牧田 司記者 5月26日)