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「安田」を冠す名門「安田不動産」が11年ぶり復帰

 主砲は「千葉熱血MAKING」の4番西沢選手


左から森、西沢、田保、川本の各氏

 

 安田銀行が富士−みずほになり、安田火災海上が損保ジャパンとなるなど、今では数少ない「安田」を冠した旧安田財閥系の名門「安田不動産」がRBA野球大会に11年ぶりに復帰する。

 同社は第8回大会から11回大会まで出場しており、通算成績は4勝8敗。記者の記憶に残っているのは、野球の実力より腹の出っ張り具合が最優先されるようなオジサンさんチーム≠セ。再び同じようなメンバー構成なら1つも勝てないだろうと思っていたが、そうではない。チームは一新されている。

 当時のチームの生き残り≠フ1人、同社人事部副長・田保(たんぼ)茂治氏(35)が、復帰の経緯について次のように語った。

 「平成15年ぐらいまではチームがありましたが、安田健保(損保ジャパン・東京建物・安田学園などが参加)の大会でボロ負けしていました。私自身はRBA大会にも選手登録していましたが、試合にはあまり出ていません(出してもらえなかったのだろう=記者注)。最近になって、野球好きの若い社員も入ってきたので再結成しようと決めました。部員は24人。平均年齢は30歳。当時のメンバーは2人ぐらいしかいません。私? フットサルをやっています」

 フットサルの選手が主力を務めるようではRBAでは勝てないが、どうしてどうして、ものすごい選手がいる。同社資産営業部資産営業第二課・西沢俊一氏(27)だ。西沢氏は何と社会人クラブチーム「千葉熱血MAKING」の現役のバリバリ4番打者だ。

 同チームは、俳優で先に千葉県知事に当選した元国会議員の森田健作氏が2005年12月に設立したチームだ。「ウィキペディア(Wikipedia)」によると、「常設の応援団長にテレビ演出家のテリー伊藤、マスコットガールに千葉県出身のタレントの小野真弓、総監督付特別補佐官に俳優の京本政樹を起用するなど、芸能色の強いチームとなっている…加盟初年度の都市対抗・クラブ選手権千葉県1次予選で4位となり、クラブ2位でクラブ選手権南関東2次予選に進出する快進撃を見せた」「監督として河野和洋(明徳義塾〜専修大学〜サムライ・ベアーズ)が就任し、チームの編成・指導を行っている」とある。

 このチームの4番を打つのだから西沢氏は相当の力の持ち主だ。「JR千葉にも勝ちました。僕は外野。昨年はピッチャーでした。できたら捕手を務めたい」

 身長183センチ、体重85キロ。東都大学野球三部リーグの学習院大学でも4番を打っていた。写真では分かりづらいが、いかにも野球の選手のような身体つきで、日曜ブロック屈指のスラッガーと見て間違いない。かっこのよさならケンコーポのエース小笠原に負けない。東電のスラッガー田中選手に少し似ているが、顔は西沢氏が勝る。ここぞというときは西沢氏が登板しそうだ。

 もう 1 人、西沢選手とは対照的な身長164センチの同部署・森友成氏(24)がいる。桐蔭−成蹊大の硬式野球部出身で、東都リーグ三部の成蹊大ではキャプテンを務めていた。「本職は内野、外野ですが、100キロぐらいのチェンジアップも投げられる」と、投手にも意欲を見せている。

 1、2番を打ち、出塁して相手をかき回すタイプだ。ストライクゾーンが狭いという相手投手にとっては嫌な、本人にとっては大きな武器を持っている。野球をよく知っていそうだ。背が低いからといって軽視すると大怪我をしそうだ。

 もう1人の主力は、西沢氏と森氏の同じ部署の資産営業第一課課長代理・川本真敬氏(30)だ。「野球は中学まで。高校からはサッカー。7年前はクローザーを務めていました。文字通り試合をクローズ≠キる役割です。チームではベンチでしょう」

 問題は練習不足だ。まだメンバー全員で練習試合も行っておらず、当然、オーダーも決まっていない。「RBA野球大会がぶっつけ本番になるかも」と各氏が語ったが、ぶっつけ本番で勝てるほどRBA日曜ブロックのレベルは低くない(ごく一部のチームを除く)。開幕まで1カ月以上あるから、練習を積めば少なくとも1勝、決勝トーナメントまで勝ち進む力はありと見た。

 最後に田保氏に聞いた。「会社の支援は? 野球の成績は人事考課にブラスされるのか? 」と。田保氏は「会社の支援はありますが、野球成績は人事考課の対象にはしません」ときっぱり答えた。

 

(牧田 司記者 4月30日)