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 ラクモアがバージョンアップ 調湿・脱臭機能付き下駄箱

 野村不動産「プラウド橋本」


「プラウド橋本」完成予想図

 野村不動産のラクモア≠ェバージョンアップされたマンション「プラウド橋本」を見学した。

 物件は、JR横浜線橋本駅から徒歩4分、または京王相模原線橋本駅から徒歩4分、相模原市橋本6丁目に位置する19階建て全111戸 (非分譲住戸4戸、店舗4戸含む) の規模。9月26日から販売を開始する1期(61戸)の専有面積は約53〜93平方b、価格は2,790万〜5,190万円(最多価格帯4,100万円台)、坪単価170万円弱。竣工予定は平成22年11月。施工は東海興業。

 現在、橋本駅圏では三菱地所・藤和不動産「ミッドオアシスタワーズ」(全705戸)と定期借地権付きの三井不動産レジデンシャル・相鉄不動産「橋本レジデンス」(全192戸)が分譲中で、この「プラウド橋本」と合わせ大手物件が激突している(とはいえ、それぞれコンセプトが異なり、競合はそれほどないと思われるが)。

 「プラウド橋本」を見学して驚いたのは、まず価格の安さだった。業界内では坪200万円を超えるのではといわれていた。記者も立地などからして200万円突破もありうると見ていた。現在の市況を考慮すると、あるいは180万円ぐらいかとも考えていた。

 ところがこの単価だ。この単価設定は戦略的な意味もあるのだろうが、駅近4分でプラウドのブランドなら早期完売は間違いないと、モデルルームを見る前に判断した。 1 期の分譲戸数が販売住戸の約6割に達するのは、確かな手応えを感じているからだろう。

 驚いたのは価格の安さだけではなかった。同社が最近採用してヒットしているラクモア≠フバージョンアップ版が標準装備されていたからだ。これまでラクモアはキッチンや洗面室の収納などが中心だったが、この「橋本」には初めて「ラクモアシューズボックス」と「ラクモアバスルーム」が採用されていた。

 ラクモアシューズボックスでは、底板の取り外しが可能なベビーカー収納スペースや小物入れ、傘、スリッパが収納できるインサイドバー、棚板が外せるものが採用されていた。これらは他社も採用しているので驚かないが、ここでは下駄箱の奥には調湿・脱臭機能を備えたモイス背板が採用されていた。もう一つ、扉はソフトクローズ機能付きだった。さらに驚いたことには、玄関先の来訪者に収納内部をのぞかれないように扉は外開きになっていた。

 ラクモアバスルームでは、水栓の下に洗面具が置けるアンダーカウンターを設置、浴槽の縁には腰が掛けられるフラットリム、身体を支えることができるリムグリップが採用されていた。水垢が気になる排水口には金属部をなくしたフランジレス排水口も採用されていた。ドアの裏側はゴムパッキンがないカビのつきにくいものが採用されていた。

 洗面室の水栓の位置は高いため、花瓶に水が注ぎやすいし、水栓の立ち上がりをなくしたため水垢の心配もない。

 これらの設備仕様は、実際に家事労働をしたことがない人には分からないかもしれないが、みんな小躍りして喜びそうなものばかりだ。

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 現地で対応してくれたのは、当欄でも紹介した「プラウド宮崎台」の担当者だった舩元一茂氏だった。舩元氏は「お客さまには『橋本近辺ではここが一番設備仕様が高い』『もっと(価格が)高いと思っていた』などと嬉しい声を戴いています。ですから決定率(歩どまり)が高いのが特徴です。ラクモアは、われわれが提案したというよりお客さまの声を反映したもの。この姿勢が大事ですよね」と語った。

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 これまで何度も書いたかもしれないが、資金力でも情報収集力でもブランド力でも突出している大手デベロッパーがここまで工夫している。中堅のデベロッパーはもっと商品企画に力を入れて欲しい。唯一、大手と対抗できるのはこの商品企画だ。

 商品企画力をアップさせるのはそんなに難しいことではない。消費者目線でものを考えることだ。現場の声が経営トップにきちんと届くような仕組みを構築することだ。営業マンの尻を叩くばかりでは厳しい時代には生き残れないだろう。

野村不動産幹部が即完≠確信した 「プラウド宮崎台」(4/20)

(牧田 司 記者 9月25日)