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三井不動産レジデンシャル「パークシティ武蔵小杉」

全1437戸が竣工 残りはわずか5戸


竣工した「パークシティ武蔵小杉」(手前の2棟)

 

 三井不動産は4月14日、武蔵小杉駅前の2棟から構成される「パークシティ武蔵小杉」(全1437戸)のうちの1棟である「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」の竣工見学会を開いた。

 物件は、東急東横線武蔵小杉駅から徒歩2分、川崎市新丸子東3丁目に位置するわが国最高層階の59階建て全794戸の規模。今年4月に竣工した。2年前春に分譲開始され、現在、残りは高額住戸の5戸のみ。坪単価は258万円。川崎市中原市民会館などが併設されている。

 隣接するもう1棟の47階建て「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」(643戸、坪単価238万円)は3年前に分譲され、昨年10月に竣工。全戸が完売となっている。

 売主は、三井不動産レジデンシャル、三井都市開発、新日石不動産。設計・施工は竹中工務店。ファサードデザインは三井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。ランドスケープデザインはグリーンアンドアーツ(オリエンタルランドグループ)。

  
          外観                            波紋の広場              

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 物件が分譲された当時は、マンション単価が急上昇しており、このマンションも最上階住戸は坪単価 300 万円ぐらいとなり話題となった。その後、サブプライム問題が浮上、最悪の市況となった。それでも竣工段階で残り5戸というのは極めて好調な売れ行きだ。

 記者は、分譲開始時にモデルルームを見学しており、その後も外観などは見ている。設備仕様、共用施設は単価からして普通だろうが、外構や共用施設の充実ぶりにはうなってしまった。

 シンボルツリーとなる既存樹のヒマラヤスギは高さ16メートルというし、ヒノキ、クスなどの大木もたくさん植えられていた。これらの既存樹のほかに約2000本の樹木が新たに植えられている。歩道空地のデザインもいい。三井不動産レジデンシャルのマンションが異なるのはこのような「街」を造る思想が徹底されているところだ。

 併設された市の施設がまたいい。ボタン一つで客席の出し入れが可能な収容人員375人の多目的ホールを始めいくつもの会議室、視聴覚室、音楽室、体育室、児童室などか備わっている。取得費は約31億円。市が区分所有する。

  
        リゾートラウンジ                   川崎市中原市民会館 ホール

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 業界関係者ならご存知だろうが、武蔵小杉駅周辺では組合施行による再開発がいくつも進行中で、住宅は戸数にして約5.000戸、人口は約15.000人が想定されている。

 これからマンションが分譲されるものとしては、三井不動産グループの三井都市開発が組合員として参画している「武蔵小杉駅南口地区東街区」(約1.7ヘクタール、住宅は497戸、組合員は同社のほか川崎市、JR東日本、東京電力、東急電鉄)、野村不動産、相鉄不動産が保留床を取得した「小杉町3丁目中央地区」(約1.3ヘクタール、住宅は約590戸)、地権者として丸紅、東急電鉄、東急不動産が名を連ねる「武蔵小杉駅南口地区西街区」(約1.4ヘクタール、住宅は約338戸)がある。 

 このほか、住宅を含む再開発計画を発表した「東京機械製作所」(東京建物が事業参加)や、民有地でのマンション分譲、設立準備の組合施行などを含めると向こう10年間で戸数は1万戸になっても不思議ではない。武蔵小杉にはそれだけのキャパシティがある。

 欲を言えば、街のポテンシャルを引き上げるためにデパートやホテルが必要だし、文化施設も欲しい。タワーマンションばかりが林立してどうなるのかという気がしないでもない。

(牧田 司 記者 4月14日)