RBA HOME> RBAタイムズHOME >2008年 >

扶桑「バリューアップ事業」 3年後200戸が目標


「成城ハイム」


事業事例「成城ハイム」を公開

 扶桑レクセルは2月13日、2006年から行っている中古マンション再生ビジネス「バリューアップ事業」の事例を業界紙向けに公開した。

 公開したマンションは、小田急線成城学園前駅から徒歩5分、世田谷区祖師谷3丁目に位置する「成城ハイム」の7階角住戸で、専有面積は約148平方b。1982年1月完成。

 同社が昨年6月に買い取り、2カ月間かけ「スケルトンリフォーム」を施し分譲。工事完了の翌日に同マンション内の居住者が買い増し≠フ形で購入した。スケルトンリフォームでは、従前の設備仕様を全て取り除き、間取りを変更したほか、浴室、キッチンなどを全て取り替えた。柱・梁型、床段差が目立つ部分については床・壁・天井高などの調整も行っている。ドアは全て引き戸にするなどユニバーサルデザインについても配慮した。バリューアップに要した費用は約2000万円。

 同社事業推進部担当執行役員・木村俊久氏は、「バリューアップ事業では、この1年間に70数件仕入れてきた。当社は億ションの供給事例はほとんどないが(「王子」の3戸)、このマンションは価値の高い物件であるのでトライした。今後の事業展開の参考にしたい。事業全体としては、3年後に200戸ぐらいの規模にしたい」と語った。

坪単価は350万円以上か ヴィンテージマンションの代表例

 記者は、中古マンションのことはよく分からないが、同業の記者から分譲価格を聞かれたので、とっさに「坪単価350万円ぐらい」と答えた。同社からは既に売却済みということで価格の公表はなかったが、当たらずとも遠からずだろう。

 現在でも、分譲時単価より若干高い坪単価270〜280万円ぐらいで取引されているという。さらに、バリューアップに2000万円かけたというから、坪400万円近くするかもしれない。それだけ価値のあるマンションだ。

 この物件については、昭和57年の分譲当時に取材も行っている。総戸数は199戸で売主は住友商事。施工は鹿島建設。1種住専(当時)であるにも関わらず12階建てとなったのは、当時は珍しい「特定街区」認定を受けた物件で、ランドスケープデザインが素晴らしいマンションだったと記憶している。

 都心の広尾ガーデンヒルズと遜色ないヴィンテージマンション≠フ一つだ。


公開された「成城ハイム」のバリューアップ住戸

(牧田 司記者 2月13日)

ページトップへ戻る