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赤坂に誕生する新しい街「赤坂サカス」が竣工


赤坂Bizタワー38Fからの眺望

 

 東京放送と同社からプロジェクトマネジメント業務を受託している三井不動産は1月31日、開発を進めてきた「赤坂サカス」のオフィス・商業施設棟「赤坂 Biz タワー」、文化施設棟「赤坂 ACT シアター」「赤坂 BLITZ 」、賃貸住宅棟「Akasaka The Residence」が竣工したと発表した。総事業費は約770億円。

 竣工後は「赤坂 Biz タワー」と「Akasaka The Residence」のマスターリース業務(建物の一括賃借ならびに転貸業務)、および同建物の運営管理業務を三井不動産が受託する。

 「akasaka Sacas( 赤坂サカス ) 」はTBS放送センター ( 既存棟 ) と「赤坂五丁目TBS開発計画」を合わせたエリア全体の総称で、赤坂に新しい文化の花を“咲かす”、夢を“咲かす”、笑顔を“咲かす”という思いが込められている。

 施設内には、日本の三大桜の一つといわれる国の天然記念物、福島県三春町の「滝桜」の子孫樹をはじめ、エリア全体には約100本の桜を植樹。赤坂駅改札前の吹き抜けエスカレータ横には、日本画家・千住博氏が描いた「滝桜」を陶板にしたオブジェが設置されている。

 「赤坂 Biz タワー」は、地下3階地上39階建て、延床面積約18.7万平方b。4階から38階のオフィスフロアは、1フロアー2,836平方b(858坪)の無柱空間を実現。各フロアにはユニバーサルトイレが設置されている。

 「赤坂Biz タワー SHOPS&DINING 」は、「赤坂 Biz タワー」の地下1階から地上3階の商業施設。飲食店を中心に、地元赤坂の老舗店舗をはじめ、新業態店舗など46店舗から構成される。

 「赤坂ACTシアター」「赤坂BLITZ」は、もともと同地にあった施設で、装いも新たに独自の文化の発進基地となる。

 「Akasaka The Residence」は、21階建て総戸数133戸の賃貸住宅棟。賃料は3階の約67平方bで37万円台、約91平方bで60万円台。最上階の21階には都心方向を臨むスカイラウンジが設置され、また、コンシアージュによるフロントサービス、24時間常駐のバレーサービスなどが行われる。インテリアデザインの監修には植木莞爾氏、木村ふみ氏、藤原益男氏の3名のデザイナーが起用されている。

 「akasaka Sacas( 赤坂サカス ) 」のグランドオープンは3月20日。

主役の座を奪った異形≠フTBS・來住氏

「サクではなくサカスとしたのは、意思を込めたから」

 街の総称「赤坂サカス」もユニークだが、当日行われた記者発表会もユニークなものだった。

 事業概要・施設概要を発表したのは東京放送赤坂再開発推進室長・橋津信義氏、三井不動産ビルディング事業一部事業グループ長・森野英継氏、東京放送赤坂サカス推進部部長・來住(きし)尚彦氏の3氏だった。その3氏の中で來住氏は異形≠フ存在だった。

 何が異形かといえば、そのファッションだった。長髪に若者が好んで着そうなスーツ姿。遠目には俳優かタレントに映った。施設説明も僕ら≠連発、完全に主役≠フ座を奪った。

 驚いたことはまだある。これからの激しい都市間競争を乗り切るには、新しい発想でないと勝てないと思っている記者は來住氏の話ぶりに感動し、早速、來住氏に名刺交換を求めた。すると、來住氏は握手を求めてきた。親指にはネイルアート(周囲の人間に聞いて分かった言葉)が施されていた。歳をきいてまたビックリ。46歳だそうだ。 選挙に出たら間違いなく当選するタイプだ。

 來住氏も立派だが、來住氏を部長に据えた同社も立派だ。スタッフは兼任を含め25人。文化・芸術の情報を発信していくには、金太郎飴のようなサラリーマンでは務まらない。「サクではなくサカスとしたのは、この言葉に意思を込めたから」と來住氏は力を込めた。

赤坂の名所≠ノなりそうな千住博氏(注)の「四季樹木図」

 気鋭の日本画家・千住博氏が描いた原画をもとに陶板にした縦8メートル、横24メートルのオブジェ「四季樹木図」がまた素晴らしい。

 千住氏が描いた原画はその5分の1で、その絵をスキャナーで読み取り、陶版にしたものだ。千住氏は仕上がったものをさらに、念入りにチェック、修正されたという。仕上がりに関しても太鼓判を押したそうだ。近くで見ると、微細な色づかいがよく分かる。触っても大丈夫だという。

 間違いなく赤坂の名所≠ノなりそうだ。

 (注)千住博氏の「博」は、実際には「十へんに専」ですが、記者は作字できませんので便宜的に「博」としました。

 

(牧田 司記者 1月31日)

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