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割安感ある藤和不動産他「BELISTAタワー春日部」


「BELISTAタワー春日部」完成予想図

 

 藤和不動産とエルカクエイが近く分譲開始する「BELISTAタワー春日部」を見学した。

 東武伊勢崎線・東武野田線春日部駅から徒歩6分、埼玉県春日部市粕壁3丁目に位置する26階建て全152戸の規模で、専有面積は約65〜90平方b。会員限定で販売される45戸は、価格が2,858万〜4,588万円(最多価格帯3,700万円台)、坪単価は155万円。設計・監理は久米設計、施工は大林組。入居予定は平成21年3月上旬。

 見学の理由は、先週は藤和不動産「ピーカンタウン ザ・ガーデンアイル」を取り上げたのと同じで、今年のマンション市場を占う意味で郊外物件の販売動向がカギを握ると考えているからだ。「春日部」のマンションはその典型的な例だろうと思った。

 まず結論から。モデルルームを見学して、現地販売担当者の声を聞いて、間違いなく売れると思った。保育所や子育て支援センター、図書室や体育室などの公共公益施設、フィットネスクラブなどが入る地上6階建ての中層棟も併設される再開発物件で、春日部のランドマーク的な物件であることが、売れるとみた要件の一つだ。

 そして、価格の安さだ。記者は、この計画が発表された昨年の段階では坪単価は170〜180万円と読んだ。市況によっては坪200万円もありうると見た。その後、市況の悪化で低めに価格設定されたようだ(もともとそうだったかもしれないが)。最近分譲している春日部駅圏の物件と比較しても割安感がある。

 仕様設備も、他物件に引けを取らないばかりか、むしろ水準以上だろう。オール電化、床暖房、ディスポーザーなどは、他のエリアでは普通だが、このエリアでは珍しいのも支持されそうだ。

 販売を担当する藤和不動産首都圏事業本部第三事業部営業部主任・岩本健太郎氏からも、心強い応えが帰ってきた。「お客さまの反応がいい。30歳前後の若い方は資産性があると評価してくれている。熟年層の方は、戸建てからの買い替え・買い増し需要がある。戸建てのローンの残債がない方が多い。予算的には3000万円から3500万円を希望される方が多いが、300万円、400万円と買いあがってくれている。10月頃までには完売したい」と。

 現在の住宅ローン借り入れ期間は最長35年だが、以前は25年か20年だった。熟年層の多くは、マンションにしろ戸建てにしろローン返済を終えているはずだ。これから熟年層は大きな需要層になりそうだ。

藤和不動産の良心 北側マンションの日照にも考慮

 もう一つ、このマンションでは興味深いことを聞いた。同マンションの北側にはある高層マンションが建っている。再開発マンションの企画段階では、14〜15階建て2棟の盤状型を計画していたが、北側のマンションの日照阻害を考慮してタワー型にしたという。

 マンションは、自らが日照阻害を与えることもあれば受けることもある。計画に当たっては、常にこのことを考慮に入れるべきだろう。これがマンションデベロッパーの良心だ。藤和不動産の良心をこのマンションに見た。すがすがしい気持ちになった。

 

(牧田 司記者 1月28日)

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