RBA HOME> RBAタイムズHOME >2008年 >

藤和不動産ほか「ピーカンタウン ザ・ガーデンアイル」


「ピーカンタウン ザ・ガーデンアイル」完成予想図

 

案ずるより産むが易し♂゚剰な危機感は無用

 日経平均株価が1万3000円を割り込み、昨年のマンション市場が落ち込んだことが報じられたこの日(1月22日)、藤和不動産・JFE都市開発・ニチモの3社JV「ピーカンタウン ザ・ガーデンアイル」を見学した。

 JR 内房線八幡宿駅から徒歩10分、千葉県市原市八幡海岸通に位置する11階建て全314戸の規模で、専有面積は約70〜102平方b、価格は2,400万円台〜4,200万円台(最多価格帯2,600万円台)、坪単価120万円前後の予定だ。設計・施工は株式会社長谷工コーポレーション。

 「ピーカンタウン」は、スーパーマーケットなど3店舗のショッピングモールとマンション「ザ・ガーデンアイル」との総称で、マンションは、ノースアイル(164戸)、サウスアイル (150戸 ) の二棟構成で、二つの棟の間には約 2,100平方bの庭園「オーナーズガーデン」を設け、庭園横には共用棟「コミュニティアイル」を設置する。マンションは市原市内最大級の規模となる。竣工は今年9月と12月。

 見学の理由は、今年のマンション市場動向を占う意味で郊外・遠隔物件の売れ行きがかぎとなると思ったからだ。

 最寄り駅の八幡宿は、初めて訪れる駅だった。その先の五井、姉ヶ崎、君津、木更津などには結構取材に訪れているが、この八幡宿は初めてだった。東京から約40分だから意外と近い。しかし、駅前は活気がなくこれは大変≠ニ正直思った。

 それでも、現地までのアクセスは悪くない。大きな敷地の神社もあった。一番注目した住環境、商品企画も悪くない。商品企画は、ここ1〜2年の総武線、京葉線沿線の新規マンションと比べて水準以上だろう。直床、ショートスパンの間取りもあるが、スペックは悪くない。中庭、共用施設も大きなセールスポイントになりそうだ。隣接して商業施設が設置されるのも需要を喚起するはずだ。

 分譲単価も安い。中堅の中小規模の近隣マンション単価は100〜110万円ぐらいだが、総合的に判断して価格競争力もある。

 問題は、やはり戸数の多さだろう。千葉県内で年間に200戸以上を完売したマンションはここ1、2年間の好況期にもないはずで、300戸以上を売るのは容易なことではないだろう。市況悪化もある。

「感動もののお客様の声」藤和不動産・瀬戸氏

 しかし、現地販売事務所の責任者、藤和不動産首都圏事業本部第一事業部主任・瀬戸太一氏の話を聞いて心強い気持ちになった。

 「販売に関しては、全然悲観していない。蘇我から八幡宿、五井、姉ヶ崎にかけて湾岸にある石油・化学関係の企業回りを行っているが、どこも協力的。上場会社も多く、社員の所得も高い。一方で、来場される方は、初めてモデルルームを見学されるような方が多く、セキュリティシステムなどにびっくりされる。マンション市況の悪化なども気にされていないようだ。新鮮な対応ができて、それこそ感動ものです。 1 期は70戸から100戸ぐらいは供給したい。完成完売はともかくとして、来年度末までには売り切りたい」

 第一次取得層などのユーザーはマンション市況の悪化などをそれほど気にしていないというのは、この前の「篠崎」の取材でも聞いた。案ずるより産むが易し=\―過剰な危機感など抱く必要がないということのようだ。

 現地の隣には、三井不動産レジデンシャルが13年前に分譲して、5カ月で150戸を完売したという「市原八幡パークホームズ」が建っている。当時の坪単価は140万円という。このことを聞いて明るい展望も持てる。フージャースコーポレーションは、マンション空白区の埼玉高速鉄道「羽貫」で商住複合開発のマンション206戸を約1年で完売した。3社には不況風を吹き飛ばして欲しいものだ。


オーナーズガーデン(完成予想図)


(牧田 司記者 1月23日)

ページトップへ戻る