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「内需主導型経済成長モデルの構築を」岩沙理事長

不動産協会が通常総会


挨拶する岩沙弘道理事長

 不動産協会は4月25日、第48回通常総会を開き、平成19年度の事業報告・収支決算、20年度事業計画・収支予算、役員選任の承認・選任などを決めた。

 平成20年度の事業計画では、サブプライム問題に端を発した国際金融市場の動揺や原油高、円高により先行き不透明感が広がり、不動産市場も調整局面に入っていると認識。

 外需や設備投資だけに依存するのではなく内需主導型の経済構造に転換できるかどうかが重要な課題としてとらえ、不動産協会の役割として地球環境問題に積極的に取り組む必要があるとしている。

 また、内需主導型経済の一翼を担う住宅投資や土地の有効活用を促進していくことが重要としている。

 具体的には、新たな住宅政策の構築について、マルチハビテーション、潤沢な個人金融資産を活用した住宅投資の促進、新たな住宅金融のあり方、良質な住宅に対する優遇税制などについて提言を行うとしている。

 さらに、都市・地方の再生に向けて積極的に活動していくほか、環境行動の推進策としてマンションの省エネ目標を設定することを掲げている。

 総会後の懇親会で、岩沙弘道理事長は「わが国の経済は厳しさを増し、スタグフレーションの状況にある。政治のねじれ′サ象の解消も大きな課題だ。難しい局面ではあるが、当協会は持続可能な経済成長モデルの構築と、環境問題への主体的な取り組みを強化する 1 年にしたい。土地住宅政策に対する提言、消費税、住宅取得税制などでも内需拡大・活性化のために取り組んでいく。都市・地方の再生も引き続き強化し、環境問題については、マンションの省エネ自主目標も必要」などと述べた。

 また、乾杯の音頭を取った南敬介副理事長(東京建物取締役会長)は、「わが国の実体経済はそんなに悪くない。株式市場の下落はゆすぶられすぎ。自信をもって環境に優しい国づくりを進めよう」と呼びかけた。


懇親会で挨拶する平井たくや国土交通副大臣

◇   ◆   ◇

 不動産市況は厳しさを増しているが、懇親会に出席した参加者は、国会議員を別にすれば、大手のデベロッパー幹部ばかり。厳しい≠ニ口々に語りながらも、どこかに余裕があった。

 4月に植木正威氏に代わって東急不動産社長に就任した金指潔氏に「大変な時期に社長に就任されましたが」と切り出したら、「驚かせないで」とおどけた。すかさず、「いよいよ東急の歴史を変える二子玉川が始まりますが」と切り込んだら、ニンマリとした。植木会長も「高値挑戦する」ときっぱり答えた。

 今秋には「鶴見」のタワーマンションが始まるナイス平田恒一郎社長や、不動産協会に入会したばっかりで、このところの商品企画の充実が著しいフージャースコーポレーション廣岡哲也社長なども明るい表情をみせていた。

 岩沙理事長は経団連副会長に就任が決っているが、「足もと(三井不動産)はしっかり固めなければならないが、副会長就任後は、これまで経団連理事として活動してきた倍以上の時間が割かれるだろう。軸足は経団連活動に比重がかかる。僕の誕生日は5月27日で、66歳になる。その翌日が副会長就任日」

 副会長の任期は4年だ。記者は、4年後に岩沙氏が経団連会長に就任する夢を見つづける。

                                                                      (牧田 司 記者 4月25日)
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