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 マンション不況£オね返す明和・扶桑・康和の3物件

「足元を掘れ、そこに泉がある」


「クリオ篠崎」完成予想図

 

この時期になって生きるドブ板♂c業

 「足元を掘れ、そこに泉がある」――ゲーテの言葉だが、弊紙の代表・久米信廣は今年のスローガンとしてこの言葉を掲げた。自らの進むべき道をしっかり歩めば、思わぬ収穫があるものだという意味だ。

 マンション事業も同じだ。マスコミはマンション不況∞地価下落≠フ大合唱だが、みんなマクロデータに基づくものだ。マンション販売の王道を貫けば売れるということに確信を持って欲しい。王道とは、お客様の立場でものを考えることだし、圧倒的多数のお客様は現在の住まいに満足していないことに依拠すべきということだ。

 そうした営業活動で成果をあげているマンションを3つ紹介しよう。明和地所「クリオ篠崎」、扶桑レクセル「レクセルプラザ篠崎」、康和地所「リリーベル篠崎サーモス」だ。ご存知の通り全て大京グループ、OB会社の物件で、同じ都営新宿線篠崎駅圏の物件だ。

 クリオ篠崎は、駅から徒歩10分の全40戸で、坪単価は198万円。昨年11月から分譲が始まっており、現在、残りは4戸。竣工は今年3月。

 レクセルプラザ篠崎は、駅から徒歩3分の全35戸で、坪単価は220万円。昨年7月からの分譲で、現在、残りは2戸。竣工は今年3月。

 リリーベル篠崎は、駅から徒歩16分の全25戸で、昨年2月からの分譲開始で、現在、残りは2戸。竣工は昨年9月。

 業界関係者なら分かるとおり、3物件ともいわゆる新価格≠セ。旧価格の相場なら坪160〜180万円だろう。にもかかわらず3物件とも売れ行きは好調だ。

 好調の要因はいろいろあるが、基本的には他社が真似できない営業活動にある。かつて大京が伸びるとき用いたドブ板♂c業だ。市況が厳しいときにこの営業手法が生きてくる。

 クリオ篠崎を担当している入社2年目の営業マン・遠藤健一氏(24)からこんな話を聞いた。

「レクセルプラザ篠崎」完成予想図

 「私は、マスコミが騒ぐほど厳しいとは思っていない。1日、くまなく歩けば最低でも1人は興味を持たれる方と出会えます。お客様はたくさんいらっしゃる。今は営業活動をそんなに行っていませんが、多いときにはモデルルームはごった返していました。これまで約370件の来場があります」
 クリオ篠崎は敷地北側に高速道路が走っている。そのハンディを跳ね返したのは、逆風をもろともしないこんな営業姿勢だろう。

 レクセルプラザ篠崎も同様だ。駅近で1フロア3戸の角住戸、敷地南側が公園予定地になっているのが人気の要因だ。当欄で何度も書いたので省略するが、ここも徹底したユニバーサルデザインを採用して差別化を図っているのもユーザーに支持されている。しかし、その分、単価が高い。4000万円台のCタイプを除いてほとんど5000万円以上だ。それでも売れているのは、明和地所と同様の営業手法だ。

 販売担当の岡田洋輔氏(23)は、明和・遠藤氏と同じ入社2年目だが、「当社も明和さんと基本的には営業手法は同じ。あと2戸ですから、大丈夫。口コミで広がっていくでしょう」と自信を見せた。

 リリーベル篠崎については、昨年8月にも当欄で書いたので省略するが、駅からの距離、単価の高さを考えたら大健闘だ。外断熱工法を採用して差別化を図っているのが奏功した。普通のマンションなら惨敗だろう。

 記者が現地を訪ねたのは、今年一番の寒さを記録した17日の夕方だった。凍えるような寒さに震えたが、「お寒い中、ありがとうございます。お待ちしておりました」という遠藤氏の丁寧な対応と、お客様のふところに飛び込んでいく営業姿勢に触れて、寒さが吹っ飛んだ。改めて現場主義≠フ大切さも教わった。

 残りわずかになったマンションの売り方が一番難しい≠サうだが、3社の営業担当者には冒頭の 「足元を掘れ、そこに泉がある」を贈りたい。最後の購入者は、きっと現場近くの人だろう。

 

(牧田 司記者 1月18日)

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