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比類なきホスピタリティの高さリッツカールトン 

記者も初体験

「ザ・リッツ・カールトン東京」ロビー・ラウンジ

 

「ザ・リッツ・カールトン東京」オープン初日に宿泊の幸運

 「東京ミッドタウン」がオープンした3月30日、同施設の目玉の一つ「ザ・リッツ・カールトン東京」もオープンした。わが国の同ホテルは、10年前に開業した「ザ・リッツ・カールトン大阪」に次ぐもので東京初だ。記者は幸運にもその当日、同ホテルに宿泊できた。

 同ホテルのホスピタリティの高さはよく知られているが、昨年、三菱地所系の横浜ロイヤルパークホテル・長坂武志社長から次のような話を聞かされたのには驚いた。

 「リッツカールトン大阪に初めて宿泊したとき女房が体調を崩したのですが、そのときの対応、介抱ぶりには感動しました。それ以来2回宿泊しましたが、インターネットで申し込まず、直接正規の値段で申し込むようにしました。もてなしとはそういうものです」

 百聞は一見にしかず。同じホテルマンが絶賛する同ホテルのホスピタリティとはどんなものかをどうしても自分の目で確かめたかった。早くからオープン初日に宿泊しようと決めていた。

 ところが、宿泊予約の受付が始まった2月13日から電話回線は全くつながらない状態が続いた(詳しくは当欄2月15日付記事「リッツカールトンに予約殺到 ホテルに学ぶマンション企画」参照) 。「もうダメか」と思ったが、家族の者に電話をずっとかけさせ続けさせたかいがあった。日頃の行いがいいと幸運が転がり込むものだ。宝くじを当てたような気分になったのはいうまでもない。

「お客様に対するサービスが最優先。ミスをしても責任を問われない」

 さて、当日。いきなりそのホスピタリティの高さに驚かされることになる。ホテルエントランスからチェックイン−部屋の案内まで全てをやってくれたのは村松梓さんだった。

 村松さんは、「私は裏方で客室係りではありませんが、自分の職務以外のことを行ってはいけないという制約は当社にはありません。ミスをしても、責任を問われることはありません。お客様に対するサービスが全てを優先するからです。GMにも気軽に声をかけていただけるし、とても風通しがいい会社です」と語った。もちろん、部屋の説明から、細々とした手配も全て完璧にやってくれた。同ホテルの「クレド」(信条)も頂いた。これには感動した。

「タバコはよろしかったらバーでどうぞ。オーダーは結構です」

 翌日昼ごろにも、感動的なもてなしを受けた。タバコを吸いたくなったので、ロビーで「タバコを吸う場所は外しかありませんか」と聞いたところ、「バーなら結構ですので、よろしかったらどうぞ」とスタッフが応えた。内心、真っ昼間から1杯2000円以上もするワインを飲まなきゃならないのかと思ったが、飲み物はオーダーしなくてもいいと言われた。こんなサービスをするホテル・旅館は日本中のどこを捜してもないだろうと思った。

 記者は、午後から仕事がなければ、間違いなくここでゆっくりタバコを吸い、ワインを飲んでいただろう。ロビーからは生演奏のクラシック音楽が流れてきていた。

「クレド(信条)は最低条件。私たちはその上を目指す」

 朝食を兼ねた昼食の和食でも、厚いおもてなしを受けた。同ホテル直営の「ひのきざか」の女性スタッフ・高橋泰葉さんからはお絞りを3度取り替えてもらったし、「食べものアレルギーはございませんか」「蓋がついているものは、こちらがお取りしたほうがよろしいでしょうか」「クレドに書かれていることは最低条件。これ以上を目指そうとみんなで話しています」などと気軽に声をかけてもらった。

 つまり、同ホテルのスタッフと言葉を交した3回とも、感動的なもてなしを受けたのだ。ホテルの設備や食事などは、それ以上のところもあるだろう。しかし、トータルなサービスは比類なき高さであることを確信した。

 全体的なデザインは落ち着いたアジアンテイストで、室内にも扇・鶴・花札をデザインしたクロスが一部用いられている。宿泊した部屋は約52平方b。建具・面材はシカモアやチーク材、洗面所の水栓などは DORNBRACH 製、シャンプーはブルガリ、テレビはソニー40V型だった。バスタオルは子どもの掛け布団ぐらいの大きさがあり、ガウン、パジャマは東南アジアか中国で着るようなものだった。

 誤解されるといけないのではっきり言っておくが、記者は自腹で正規の値段で宿泊した。宿泊・食事代は高いが、前出の長坂氏と同様、「それだけの価値がある」と思った。

 記者が経営者なら、日本人が宿泊する場合と外国人の場合とでガウン、パジャマ類は別けるだろう。浴衣を着たくはないが、あのパジャマには抵抗がある。難点はそんなところだろうか。

 

               ルーム                           バスルーム

 

(牧田 司記者 4月2日)

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