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「芝浦アイランド地区プロジェクト」島びらき

「芝浦アイランド地区プロジェクト」全景完成予想図

 

湾岸戦争≠ヌこ吹く風 わずか1年半で分譲1920戸完売 

 都市公団が平成13年3月、東京都から用地を取得してからわずか6年、開発総面積約6万平方bの「芝浦アイランド地区プロジェクト」の島びらきが3月24日に行われる。

 同プロジェクトは、三井不動産など民間9社が分譲・賃貸合わせ約4000戸の住宅を建設、港区が幼保一体化施設などの公益施設の建設、東京都が護岸整備など運河ルネッサンスの推進、UR都市機構が道路や公園の整備をそれぞれ担当する官公民が一体となったビッグプロジェクト。国内初の「高層居住誘導地区」制度によって、容積率は400%から600%に緩和されている。

 開発に当たっては、「ブロックリノベーション」の思想で街のデザインをコントロール。ジェネレーションミックスと市民の参加、周辺のつながりを重視しているのが特徴だ。

 住宅約4000戸のうち、A3街区の賃貸棟(約1100戸、平成20年竣工予定)を除き分譲棟の「ケープタワー」(1095戸、坪単価221万円)と「グローヴタワー」(833戸、坪単価256万円)、賃貸棟の「エアタワー」(871戸、平均坪賃料1万4200円)が完成。分譲棟は全て完売、賃貸も700室以上が申し込み済みだ。

 デザインコントロールが徹底しており、素晴らしい街ができた。東京の名所の一つになりそうだ。

   

   幼・保一体化施設も整備される公益施設       芝浦⇔お台場を15分で運行する「アーバンランチ」

  ここ数年で約1万1000戸供給 苦戦物件も少なくなかったが…

 分譲棟の販売開始は一昨年の7月だった。わずか1年半の間に全1920戸を完売したのだから、極めて好調といえるが、販売当初の評価は必ずしも高かったわけではない。坪単価は今となっては超割安だが、当時は坪単価200万円がアッパーとみられていたころだ。「果たして売れるのか」という声が業界内から多く聞かれた。建物の引渡しが平成19年度のため販売を一時中断したことから、「芝浦は失敗」など口さがない声もささやかれた。

 業界内にそのようなうわさが駆け巡ったのも理由がある。当時は、港区や品川区などの湾岸で大量のマンションが供給され湾岸戦争$^っ盛りだった。早期完売物件はむしろ少なく、値下げ物件もあった。業界は疑心暗鬼に満ちていた。

 その供給量はすさまじく、主だったものでも約1万1000戸に達している。

 主だったものを列挙してみよう(順不同)。

•  東京建物ほか「ラグナタワー」(501戸)
•  鹿島建設「ブランファーレ」(372戸)
•  三井不動産「パークタワー品川&芝浦ベイワード」(325戸・179戸)
•  コスモスイニシア「コスモポリス品川」(590戸)
•  ゴールドクレスト「ベイクレストタワー」(594戸)
•  ゴールドクレスト「スカイクレストビュー」(129戸)
•  住友不動産「ワールドシティタワーズ」(2082戸)
•  東急不動産ほか「キャピタルマークタワー」(869戸)
•  日本ハウズィング「カテリーナ三田」(752戸)
•  伊藤忠都市開発「フェイバリッチタワー品川」(223戸)
•  JR東日本ほか「ラクシア品川ポルトチッタ」(162戸)
•  藤和不動産ほか「品川タワーフェイス」(255戸)

 記者は、これら全ての物件を見学している。その立地条件、環境を見て「大丈夫か」と思った物件も少なくない。

 しかし、今となって、もっとも先見の明があったのは一般のお客さんだと思う。確か「ラクシア品川ポルトチッタ」だったと思うが、ある若いモデルルーム来場者は「自分は横浜の賃貸。買って賃貸に回す」と語った。下層階は中古並み≠フ坪140万円ぐらいでなかったか。今回の「グローヴタワー」も最高価格は2億3000万円(175平方b、坪単価433万円)だったが、いまなら坪700万円、800万円の値がついても驚かない。

 明日、地価公示が発表される。港区の地価が暴騰するのは間違いない。

 

(牧田 司記者 3月22日)
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