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賃貸マンションの概念を変える
「芝浦アイランド・エアタワー」
「芝浦アイランド・エアタワー」（左端）
48階建て全８７１戸 賃料は坪１万４０００円！
「芝浦アイランド」といえば、三井不動産レジデンシャルなどの「グローブタワー」「ケープタワー」の分譲棟を連想するかも知れないが、それだけではないことが分かった。賃貸マンションの概念を根底から変える賃貸マンション「芝浦アイランド・エアタワー」を見学したからだ。モデルルームなどを案内してもらったのは、ＲＢＡ関係者ならよくご存知のケンコーポレーションの野球部監督で、同マンションのリーシングマネージャーの田邊高明氏だ。
物件は、ＵＲ都市機構の民間供給支援型賃貸住宅制度によって建設された定期借地権付きで、ＪＲ田町駅から徒歩８分の港区芝浦４丁目の一角に建つ地下１階地上48階建て全871戸の規模だ。住戸面積は約37～225平方㍍。月額賃料は坪単価平均14,200円。貸主は三井不動産住宅リースとケンコーポレーションの１００％出資会社アール・エー・アセットマネジメント㈱。
〝賃貸マンションの概念を変える〟と書いたのは、それほど衝撃を受けたからだ。記者の賃貸マンションのイメージはＵＲ都市機構のそれで、「お台場」や「東雲」「同機構のスケルトン賃貸」が最高のレベルだとこれまで考えてきた。しかし、いずれも設備仕様レベルは低く、がっかりしたのを覚えている。
「億ションにも負けないレベルの高さ」
田邊氏
ところが「芝浦」は、田邊氏が「億ションにも負けないレベルの高さ」と胸を張ったように、これまでの賃貸マンションのイメージを根底から覆すレベルの高さだった。
マンション棟に隣り合わせで設置されたクラブハウスがいい。洋館を思わせる建物で、２層吹き抜けエントランスホールの正面には幅５メートル以上ありそうなカーペット敷きの階段があり、右手にはエスカレータ、左手にはカフェラウンジがある。造作材は全て自然石、無垢材などで、高級ホテルのエントランスとほとんど遜色ない。
共用施設の充実ぶりにも驚いた。カフェ、ラウンジ、会議室、ワインセラーなどが設置されている。カフェは、田邊氏に言わせると、安くておいしい「○○よりおいしい」とのことだった。１時間300円で、お代わり自由だ。
住戸プランもいい。アウトフレーム・逆梁ハイサッシの採用で、住戸に出っ張りがなく、設備仕様も天井高３．７メートルのペントハウスやプレミア住戸は間違いなく億ション並みだ。天然石や天然木を使用し、革張りのドア把手、化粧を施した回り縁、巾木が採用されている。カラーセレクトは３種で、ピュアホワイトのモデルルームもフローリング以外はほとんど白という若い世代に受けそうなデザインになっている。
新たな需要を取り込む すでに７００室超が申し込み済み
田邊氏は言う。「募集を開始する昨年の９月前までは、果たしてこの戸数で埋まるのかと不安でしたが、しっかり造り込みをし、適正な価格なら納得してもらえることが分かりました。新たな需要を取り込んでいる」
入居は始まったばかりで、すでに700室以上が申し込み済みという。家賃が100万円以上のペントハウスタイプや、眺望がいいプレミア住戸は全て即決で決ったという。「みんな周りと比べ、ものがよく安いといって頂いている」（田邊氏）そうだ。
記者もそう思う。先日見学した「パークアクシス青山一丁目タワー」もよかったが、立地が立地だけに価格が高い特殊なマンションだ。「芝浦」は最低賃料が135,000円（約37平方㍍）だから、うれしいではないか。
分譲マンションは〝島を買う〟がうたい文句だったが、賃貸棟は〝島を借りる〟となっている。記者もこのコピーに偽りはないと思った。〝賃貸マンションは仮住まい〟と考えている人は多いだろうが、このマンションなら永住したいと思う人は少なくないだろう。こんな賃貸マンションが続々供給されてくれば、分譲マンションにとって驚異だ。
月額賃料１万５０００円のワインセラー（ＭＡＸ 229本入り）！？
唯一首をかしげたのはワインセラーだった。記者もワインを含めよく酒を飲む。ワインに換算したら月に15本ぐらいだろうか。あったらいいと思う。しかし、その賃料を聞いて驚いた。ボックス貸しで、229本入りが月額15,000円、60本入りが7,000円だ。
貧乏人根性が染み付いている記者は、とっさに１本当たりの賃料を計算した。1,500円だ。そんなにするのなら、酒飲みは絶対、その分値段の高いワインを飲むと思った（分譲マンションでは、住戸専用の豪華なワインセラー付きを見たことがあるが、共用施設にワインセラーがついている物件は記憶にない）。まあ、人種が違うということか…。
エントランスホール
（牧田 司記者 3月8日)