RBA HOME> RBAタイムズHOME >2007年 >

 

究極の億ション 三井&三菱 「広尾ガーデンフォレスト」

「広尾ガーデンフォレスト」完成予想図(広尾ガーデンヒルズとそっくり)

 

 

期間50年の定期借地権付き 坪単価は533万円

 三井不動産レジデンシャルと三菱地所が共同で分譲(事業比率50:50)する期間50年の定期借地権付きマンション「広尾ガーデンフォレスト」の記者発表会が2月23日、行われた。

 日比谷線広尾駅から徒歩9分の渋谷区広尾4丁目の「広尾ガーデンヒルズ」に隣接する敷地面積約2.9ヘクタール、地上6〜18階まで計8棟、計画戸数670戸の規模で、専有面積約45〜288平方b。平均坪単価は533万円の予定。設計・監理は三菱地所設計、施工は鹿島建設。

 日本赤十字社の再整備事業の一環として事業化されたもので、事業コンペによって両社が選ばれた。定期借地権付きとなったのは、日赤の意向によるもの。

 敷地面積は、約6.6ヘクタールある「広尾ガーデンヒルズ」以降に分譲された山手線内の分譲マンションとしては最大級で、住宅、看護、保健、福祉が複合した事業。樹齢500年を越す大銀杏など既存の樹木を残したほか、車歩の完全分離、最大4重のセキュリティ、気象庁の緊急地震速報システムを導入。「広尾ガーデンヒルズ」の雁行設計・勾配屋根のデザインを継承、一方では広尾ガーデンヒルズでは約60%しかなかった駐車場設置率を85%まで高めているのも特徴。

 室内空間は、天然大理石、御影石のほか、黒檀、チーク材、パイン材、ニレ材、竹材など自然素材をふんだんに採用、仕上げも何重の塗りを重ねたものや染色したもの、うづくりなど、うなってしまうものばかりだ。一つひとつの設備仕様はこれまでの億ションのモデルルームでも見られたが、従来のモデルルームは見せるため≠フものであるのに対し、今回の「広尾」はこのまま住めるような提案となっているのが特徴だ。

 すでに会員限定で200戸弱が契約済みで、2000組を超える来場者があるという。最高価格住戸の10億円(290平方b)も契約済み。中心価格帯は1億円〜1億3000万円。月額地代は360円/坪、100平方bで約1万円だ。

モデルルームで(ベッドルーム)

  モデルルームで(パンフレットには「リゾートテイストあふれるジャクソン社BARCAシリーズのフリースタンディング  楕円形バス」とあった。バスタブの下部は藤製? 汚れたらどうするのだろうと心配になった)

 

所有権なら坪900〜1000万円の価値?

 三井不動産レジデンシャル・松本光弘社長からは、先日の記者懇親会で冗談交じりに「牧田さん、うちのマンションが安い、安いといわないで」と、何度も釘をさされたが、やはり、今回の「広尾」も「安い」と言わざるを得ない。

 松本社長の仰ることもよく分かる。「安い」という意味は、安く売りすぎ=値付けの間違いとも受け取れるし、それだけの価値しかないとも受け取れる。

 しかし、私は、単に相場観から安い、高いの評価をしているわけでは決してない。アクセス、立地・環境、ランドプラン、基本説能、住戸プラン、設備仕様、さらには売主、設計、施工会社に至るまで総合的に評価して高い、安いを判断している。

 この判断基準からして、松本社長には申し訳ないが、「広尾」の坪単価533万円は「安い」と言わざるを得ない。

 築20年も経過して分譲当初の単価(280万〜450万円ぐらいと記憶しているが)を維持している「広尾ガーデンヒルズ」に隣接した立地・環境といい、雁行設計・勾配屋根の踏襲、ランドスケープデザインの素晴らしさ、設備仕様の高さ、売主・施工のブランド力からいって、私は所有権価格で坪単価900万円から1000万円と読んだ。期間50年の定期借地権付きなら600万〜700万円ぐらいが妥当な価格だろうと判断した。

 50年で更地にして返還するのは何とも惜しいが、究極の億ションであるのは間違いない。賃貸にした場合の利回りは3〜6%と所有権より高く設定できそうで、減価償却面でも有利なことから投資需要も見込めそうだ。

雁行設計が特徴のランドプラン

 

パンフレットは鮮やかなオレンジ「エルメス」カラー

パンフレット(実際の色はもっと鮮やか)

 取材を終え、帰り際に渡されたのがズシリと思いパンフレットだった。記者がおやっと思ったのは、その重さではなく(帰ってその重さを測ったら約4キロ。これまで5キロぐらいのをもらったことがある)、その色だった。紙袋もパンフレットが入っている箱も鮮やかなオレンジ色だった。見たこともないその色に、記者はとっさに「何か意味がある」と判断、担当者に聞いたところ「エルメスを意識した」とのことだった。

 ファッションブランドにはまったく興味がない(買えない)記者は、それでも何の意味かよく分からなかったが、現地販売事務所の隣でモデルルームを公開している三井不動産レジデンシャル・明豊エンタープライズ・新日本建物「パークコート高輪」の受付嬢は、さすが!「エルメス? 」とズバリ的中させた。

 会社に帰り、女性社員に「これは何の色」と質問したところ、若い女性はズバリ的中させたが、もう1人は「牧田さん、これ、もらってきたの? みんなで食べましょう」と答えた。

 

(牧田 司記者 2月23日)

ページトップへ戻る