RBA HOME> RBAタイムズHOME >2007年 >

頑張れ!営業マン 街に出よう


「マンションはちょっとした工夫で売れる」と語るリスト海藤氏

 

 円高、株安、原油高に耐震偽装、施工不良などなど、不動産業界を取り巻く環境は最悪だ。とりわけマンション販売業は、ユーザーの様子見で一段と厳しさを増している。売れ行きがいいのは都心部の駅近、複合開発物件、ブランド力のある物件のみで、郊外部の物件は軒並み苦戦を強いられている。

 これから年度末に向って続々マンションが竣工するが、どうさばくかが各社の大きな課題になっているはずだ。

 記者は、売れない∞客がこない≠ニ嘆く前に、街に出てユーザーの懐に飛び込んで営業することを提案したい。

 この提案は、リストのマンション事業部販売2課課長・海藤義弘氏 (32) がRBAタイムズ元気印≠フインタビューで語った言葉がヒントになっている。海藤氏はおおよそ次のように語った。

 「最後の1戸の契約者というのは、物件に近いところ、しかもいつも建築現場を見ているか、通っているような近所の人が意外と多いのです。日常生活のうえで利用しないところ、例えば通勤が逆方向だったり、あるいは、住宅を購入する気がないから、何が建っているのか興味がなかったりというケースです。販売の最後の頃になると、広告予算もないから手づくりのチラシなどを配布するのですが、そんなお客様に出会うと、われわれは一体、何をしていたのだろうと」

 つまり、マンションが売れなくて困っているとき、常識的には広告宣伝エリアを広げ、広域から集客しようとする。現地周辺には何度もチラシ広告などを配布しているから、周知されているだろうと判断する。

 ところが、買う側にとっては、購入する意思がなければマンションだろうが墓石だろうが保険だろうが、チラシなどは見もしないで捨てる。しかし、きっかけがあれば、必死に探したり比較検討したりする。それと同じだというわけだ。

 マンションの周辺をくまなく歩けば、必ずほかの土地では経験できない魅力を探り出すことができるはずだし、 1 軒 1 軒訪問し事情を説明すれば、本人は購入意思がなくとも、見込み客を紹介してくれるかもしれない。

 海藤氏は、次のようにも語った。

 「マンションはちょっとした工夫で売れる。例えば、水音の静かなシンクとか、洗濯物をかけるハンガーの提案などです。床暖房はつけなくていい。その分、価格が抑えられる。僕は、お客様にホームセンターでも売っている扉に引っ掛ける物干しハンガーを提案しています」と。

 マンションほど経済波及効果を及ぼしているものはない。工事関係者の雇用を確保する。新しい家族の転入は子どもたちの友だちを増やす。地域の商店を潤す。市の財政を潤す。素晴らしい事業だ。頑張れ、営業マン≠ニ声を限りに声援したくなる。

 

(牧田 司記者 11月30日)

ページトップへ戻る