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日本綜合地所の新ブランド「ヴェレーナ港北」を見学

「ヴェレーナ港北ニュータウン」完成予想図

 

坪230万円の100平方bマンション 逆風にどう挑むか

 日本綜合地所の新ブランドヴェレーナ≠冠した第1号マンション「ヴェレーナ港北ニュータウン」を見学した。

 横浜市営地下鉄仲町台駅から徒歩9分、県横浜市都筑区仲町台3丁目の高台で建築中の10階建て全346戸の規模。専有面積は約82〜116平方b。価格は未定だが、平均坪単価230万円台になる模様だ。設計・施行は竹中工務店、販売代理は野村不動産アーバンネット。入居予定は平成20年10月下旬。

 駅からのアプローチはまずまずで、高台立地の住環境も申し分ない。既存樹木を活かし空地率60%を確保。横浜市市街地環境設計制度の基準をクリアしている。同社の専売特許≠ニもいうべきオープンエアリビング、カラーテイスト、ランドプランなどはおおよその見当がついていた。度胆を抜く幅1.4メートルの広い廊下(110平方b以下は1. 1 〜1.2平方b)も予想通りだった。新ブランドの第一弾としては申し分ない企画だ。

 しかし、問題は価格だろうと思う。港北ニュータウンの最近の相場からして坪230万円ぐらいだと予想していたが、100平方bで7000万円だ。常識的に考えれば、普通のサラリーマンでは取得は難しい。アッパーミドルか共働き夫婦でないと、手が出ないだろう。このところ港北ニュータウンのマンションの売れ行きが鈍くなっているのも懸念材料だ。

 これまで数々のヒット作を供給してきた同社と、施工・竹中、販売・野村不動産アーバンネットという組み合わせで、どう逆風に立ち向かうのか興味深い。同社のマンションを見たことがない一般ユーザーがビックリするのは間違いないが…。

「レイディアントシティ横濱」では業界人を驚嘆させた実績

 同社には、業界関係者を驚嘆させた実績がある。「レイディアントシティ横濱」だ。

 もう数年前になるが、同社が全1805戸の100平方bマンション「レイディアントシティ横濱」を分譲すると西丸誠社長から聞いたとき、狂気の沙汰だと思った。今でこそ100平方bマンションはたくさん供給されているが、当時は郊外ではそれほど供給されていなかった。まして1805戸もの規模だ。しかもバス便(その後、バス路線が開通したが、分譲当初はまとまっていなかった)。

 そんな冒険をするデベロッパーはどこにもいなかった。

 しかし、社長の熱心な話を聞きながら、「あるいは売れるかも」と考えるようになった。確か坪単価は130万円ぐらいだった。100平方bでも4000万円台の前半で購入可能になるからだ。記者は、基本的には住宅の質は広さだと思っている。一般サラリーマンが30坪のマンションが無理なく買えるのが理想だと今でも思っている。

 販売結果は周知の通り。売れるわけがない≠ニいう大方の業界関係者の予想を覆し、なんと2年で完売してしまった。今回の「港北」は「横濱」より坪にして100万円も高い。

  

オープンエアリビング(左)とエントランスホール(完成予想図)

 

(牧田 司記者 10月18日)

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