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安い買いものをした森トラスト

「虎ノ門パストラル」約2300億円で落札

 

 森(トラスト)だけ見て山(ヒルトップの立地)を見ない一般報道

 森トラスト(森章社長)は9月27日、農林漁業団体職員共済組合が実施した「虎ノ門パストラル」(敷地面積16,050平方b)の競争入札で、同社を代表とするダヴィンチ・アドバイザーズ(金子修社長)とのコンソーシアムグループとして参加した結果、約2309億円(坪単価4747万円)で落札したと発表した。

 同社は、 隣接地を活用して土地のさらなるポテンシャルを高めるとともに、公共空間や緑化地帯の創出を含めた高機能の複合再開発を実施することで、地域に大きく貢献し、魅力溢れる街づくりをしていくとしている。

 記者は、「虎ノ門パストラル」は業界団体の会合やパーティしか行ったことがないが、ヒルトップの環境が抜群で落ち着いた施設だと思っていた。 虎ノ門駅からはやや距離があるが、神谷町駅からは徒歩1分の立地だ。

 一般紙などの報道では落札価格は高いとされていた。確かに金額だけ聞くと驚く。はっきりしたことは分からないが、最近では最高額の不動産取引額だろう。現行の用途地域は商業地域で容積率は500%だから、このままだとビルにしろマンションにしろ、とても事業採算にはあわないだろう。

 しかし、総合設計制度などを活用すれば、容積率は900%ぐらいになるはずだ。仮に容積率を900%とすると、一種当たり坪単価は約527万円になる。さらに、同社が所有する隣接の虎ノ門4丁目MTビル(敷地面積約1500平方b、7階建て延べ床面積約8700平方b)との一体開発を行えば、さらに単価は引き下げられる。

 また、同社が開発した城山ガーデン、同社も株主になっているホテルオークラにも隣接・近接している立地を考えれば、素晴らしい開発ができる。具体的なプランは現段階では未定だが、記者は安い買いものをしたと思う。森(トラスト)だけ見て山(まさにヒルトップの立地)を見ない一般報道と言わざるを得ない。

 ちなみに、鹿島建設がホテルオークラの隣接地で3年前に分譲し、圧倒的人気になったマンションは坪500万円だった。

 

(牧田 司記者 10月1日)

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