東急リバブル 9年ぶり3度目優勝 |
||
ケン・コーポは3年連続準優勝
|
||
1 2 3 4 5 6 7 8 合計 | ||
ケン・コーポレーション 0 0 0 0 0 0 0 1 1 | ||
東急リバブル 0 0 0 0 1 1 0 X 2 | ||
大槻監督を胴上げする東急リバブルチーム |
||
東急リバブルが9年ぶり3度目の総合優勝――日程の都合で延びていた第17回RBA中国大使杯軟式野球大会総合優勝戦は5月23日、東京ドームで行われ、水曜ブロックの覇者・東急リバブルが2−1で日曜ブロック覇者・ケンコーポを破り、第8回大会以来9年ぶりの総合優勝を飾った。ケンコーポは3年連続総合準優勝。リバブルの期待の新人・河野が代打で3塁打を放ち、先制のきっかけを作り、この試合で引退を決めていた阿久津が決勝打を放った。猪股投手は8回1失点完投。康原らが超美技で猪股を援護した。ケンコーポは、元シダックスの矢島投手が先発。好投したが一球に泣いた。 新人・河野3塁打 引退表明の阿久津が決勝打 両チームの先発は、ケンコーポがエース・庄司でなく、同社に入ったばかりの元シダックスの矢島。リバブルは予想通り猪股。 双方とも不安な立ち上がりだったが、お互い決定打を欠き4回まで0−0で進んだ。 試合が動いたのは5回裏。リバブルはこの回先頭の8番・武藤に代わる河野が左翼越え3塁打、続く代打の阿久津がしぶとく左翼前に運んで先取点を奪った。その後、1死3塁のチャンスをスクイズ失敗で潰した。 続く6回裏、リバブルはのどから手が出そうな追加点を敵失で拾った。この回先頭の3番・三ケ島が四球で出塁、盗塁と捕手の悪送球で3進した1死後、5番・康原のショートゴロエラーの間に三ケ島が生還し1点追加した。 猪股投手は8回を3安打1失点完投。野手も再三の美技でピンチをしのいだ。 ケンコーポ先発は元シダックスの矢島 失投に泣く ケンコーポは再三の好機を作ったが、あと一歩及ばず。 初回、2死から3番・庄司が特大の左翼越え2塁打を放つも4番・渡辺が三振。4回にも1死から庄司、渡辺の連続死四球でチャンスを作ったが、後続が凡退した。6回の敵失と四球から得た1死1、3塁の好機では、渡辺の中堅への飛球は中堅−遊撃−捕手とわたる併殺で得点できず。7回にも2死から7番・中村が右中間3塁打を放つも、続く8番・矢島の深い中堅への飛球は相手に好捕された。 再三チャンスを生かせなかったケンコーポは最終回、四球で出塁した2番・尾関を庄司が中堅越え3塁打を放ち1点を挙げたが、追撃はここまで。 先発の矢島は7回を3安打に抑えたが、先制点を許した5回の失投が悔やまれる。庄司は2打数2安打1打点2死四球と活躍したが、勝利に結びつかなかった。 「かつての黄金期より戦力は上」大槻監督 ○大槻監督 先発は庄司だと予想し、何度もビデオでチェックして攻略するパターンを何通りも考えていた。河野も阿久津もよく打ったし、みんなよく守った。今の戦力は、みんなで試合をつくっていくという意味で、かつての黄金時代より上だろう 「初球はストレートを狙っていた」河野
○河野 初球から狙っていた。真っ直ぐの外だろろうと思っていたが、その通りだった(先制の好機を作る3塁打を放って) ○阿久津 試合前から、この試合を引退試合と考えていた。いいところで打てて嬉しい。幸せ。今季からは観客席で応援に回る(かつての黄金時代の主力選手。36歳の勝負強さが売りのベテラン) ○山田捕手 猪股は最悪のでき。肩が痛かったようだ。それでも失点をしない投球ができる。抑えるすべを知っている。失点を防いだ中継プレーはよかったでしょう ○早部 野球続けてきてよかった(阿久津と同期のベテラン) ●田邊監督 3年連続準優勝だが、みんな一生懸命頑張った。いい試合だった。少し、若返りが必要かもしれない ●矢島 まさか初球から打ってくるとは思わなかった(河野に初球の直球を打たれて) ● 庄司 あそこは僕ならカーブから入る(河野が打たれた場面を振り返る) |
||
先発完投した東急リバブルの猪股 |
ケンコーポの矢島投手 |
|
|
||
リバブルの次期4番候補・河野 華々しいデビュー ワンチャンスをものにした。リバブルの期待の4番候補、河野隼也(24)が華々しいデビュー戦を飾った。登場したのは5回の裏、代打だった。この回の先頭打者として、初球のストレートをはじき返した球は左翼線を深々と破る3塁打となった。 続く、代打・阿久津の安打で生還し貴重な先制得点を挙げた。 浦和実業−北海道東洋大と進み、4番で外野手を務めた。神宮大会にも1回出場。ベスト8まで進んでいる。 リバブルの不動の4番は、岡住が入社以来ずっと守りつづけてきた。3冠王になったこともある。現在でもRBAを代表する強打者だが、年齢は36歳。河野が岡住の4番の座を脅かす存在であるのは間違いない。
ケンコーポの隠し球≠ヘ元シダックスの矢島投手 ケンコーポの先発は元オリックスの庄司でなくて、昨年まで野村克也監督(現楽天監督)が率いるシダックスの投手だった矢島正徳投手(27)だった。 試合では敗戦投手となったが、リバブルの主砲・岡住から2三振を奪い、PL−亜細亜大−河合楽器出身の康原も0安打に封じた。得意の球はスライダーとか。 矢島投手は、城西大附属城西高校−城西国際大学と進み、大学卒業後はシダックスに投手として入社。控え投手で出番が少なく、昨年、肩を痛めたこともあり「会社に残れたのですが、野球がやりたくて」退社。その後、台湾統一ライオンズ−オランダ・フェイエノールトと渡り、今年ケンコーポに入社。国際部勤務。 記者は、今年3月、田中健介社長から「元社会人のいい選手が入った」とは聞いていたが、まさか投手だとは思わなかった。リバブルも先発は庄司と読み、対策を練っていたようで、ケンコーポの隠し球″戦が奏功するかに見えたが、勝利の女神からそっぽを向かれた。
|
||
東急リバブルの阿久津、河野、康原(左から)
|
ケンコーポ・矢島投手 |
|
久米大会委員長から優勝旗を受け取る 東急リバブル・大槻監督 久米大会委員長「1番お世話になっている両社が東京ドームで戦うことになって、感無量」
|
||
|
||
|
||
(牧田 司記者 5月23日) |
||