RBA HOME> RBAタイムズHOME >2012年 >

アドレスは「岡本一丁目」 細田工務店が建売り・建築条件付16区画


「グローイングスクエア世田谷・岡本1丁目」建築現場

 細田工務店が近く分譲開始する「グローイングスクエア世田谷・岡本1丁目」を見学した。田園都市線用賀駅から徒歩15分とやや距離はあるが、アドレスは「世田谷区岡本一丁目」。知る人ぞ知る高級住宅街の一角にある。樹齢数百年はありそうなケヤキなどに囲まれた、まるで林間住宅のような趣のある希少物件だ。

 物件は、東急田園都市線用賀駅から徒歩15分、世田谷区岡本1丁目の第一種低層住居専用地域(建蔽率50%、容積率100%)に位置する全16区画で、建売住宅11棟と建築条件付き宅地分譲5区画の構成。敷地面積は100.56〜124.19u、建物面積は82.73〜96.04u、建売住宅の価格は未定だが、6,000万円台後半から7,000万円台の後半になる予定。竣工予定は平成24年3月下旬。建物は軸組工法2階建て。敷地は元賃貸マンション。

   
左から敷地北側の借景、敷地全景、敷地の南側(建物は多摩川テラス)

 最大の特徴は、そのアドレスだ。ご存じない関係者も多いかもしれないが、現地は、武蔵村山市緑が丘−玉川上水−国分寺−深大寺−砧−二子玉川−等々力−田園調布へと数十キロにもわたる国分寺崖線の丘の上部分に位置する。地名でわかるように、崖線は高低差が約20メートルあり、周辺は巨木が生い茂り、高級住宅街を形成してきた。

 岡本1丁目もその崖線の一角をなす。隣接地には、仲代達也氏が主宰する「無名塾・仲代劇堂」と、旧岡山藩・池田家の武家屋敷門が移築された「多摩川テラス」がある。信越化学の創業者・小坂順造邸跡地は徒歩2分、三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎のゆかりの地「静嘉堂文庫・岡本静嘉堂緑地」は徒歩5分だ。

 記者は、同社が建売住宅を分譲することを同社のメルマガで知り、早速取材を申し込んだ。価格は1億円越えを予想したが、今の市況を考えると1億円超えは厳しい(売れない)と判断した。8,000万円から9,000万円ぐらいと見当をつけた。予想は見事に外れた。「6,000万円台後半から7,000万円台後半」は信じられない値段だ。周囲の戸建ては間違いなく1億円以上ばかりだ。


旧岡山藩・池田家の武家屋敷門

 値段が安いからといって、商品企画・設備仕様などが劣るわけではない。用途地域が第一種低層住居専用地域であることのほか、第2種風致地区、地区計画、緑化条例などの規制により、外壁は隣地境界線より1メートルセットバックさせており、周囲の道路も幅員は6〜10メートルだ。敷地南側には樹高20メートルはありそうな巨木が何本も植わっている。

 建物の外構は自然石やタイルを配し、外壁は櫛引き仕上げやボーダータイルなどでテーマの「モダン」を演出。モデルハウスの1棟には幅750ミリ、高さ550ミリ、奥行450ミリの「外部ニッチ」が玄関サイドに設置され、ベランダの機能を持ちながら、面積に算入されず、かつ1階リビングに光が入るベランダ「エアキューブ(YKK)」が設置されている。内装は、30歳代の購入層を想定した明るいカラーリングが基調となっており、アクセントには黒を採用することで全体を引き締めている。   

 「細田」と「岡本一丁目」のブランド力をもってすれば、桜が満開のころには完売していると見たがどうだろう。常識的には抽選分譲しても2〜3倍の倍率がついても不思議でない物件だ。

    
左から「玄関ニッチ」、「エアキューブ」、モデルハウス 

(牧田 司記者 2012年2月28日)