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三井ホーム 女性誌「VERY」とコラボ

3世代住宅「Twin Family B( ツインファミリー トロワ)」発売


京都五条第2モデルハウス

 

 三井ホームは12月6日、アクティブシニア層の親世代とその子世代夫婦、孫世代の3世代を想定した3世代住宅の新商品「Twin Family B( ツインファミリー トロワ)」を沖縄を除く全国で発売すると発表した。

 「トロワ」は、住まいの一部をシェア(分かち合う)したり、コネクティング(つながりあえる)することで、 3 世代の暮らしを豊かにする工夫を凝らし、ライフスタイルの異なる二世帯が気兼ねせず、自分たちらしい時間を過ごせる空間を実現。外観はパリのアパルトマンをイメージしたデザインとしているのが特徴。

 3世世代がつながりあえる「コネクティング・ルーム」「コネクティング・バルコニー」のほか、主婦の居場所「プチ・リュクス」、1階の庭が見渡せる「グランパ・ステーション」、多目的に利用できる「パパ 's ステーション」などを提案している。

 商品化に当たっては、高感度子育てママ≠フ圧倒的支持を得ているという光文社の雑誌「VERY」とコラボレーションした。「B( トロワ)」はフランス語の「3」を意味する言葉。

 参考価格(消費税込)は、モデルプラン−1(3階建て)は延べ床面積296.37u(89.65坪)、70,876,050円(坪単価791千円)。モデルプラン−2(2階建て)は延べ床面積271.79u(82.21坪)、59,780,700円(坪単価727千円)。価格には太陽光発電システム2.98KW、家庭用蓄電システム5.53KWh、ECOマネシステム、EV コンセント設備などのスマート2×4 (ツーバイフォー)仕様を含む。

 首都圏のモデルハウスは大宮モデルハウス(埼玉県さいたま市)で2階建てを7月7日にオープン済みで、新百合ヶ丘駅前モデルハウス(神奈川県川崎市麻生区)にも2階建てを平成25年1月2日にオープン予定。

 会見に臨んだ同社・長谷裕専務は「VERYさんとは商品企画の段階でコラボした。建て替え需要を掘り起こし、さらに消費税の駆け込み需要も取り込みたい」と話した。現在、同社の2世帯住宅の施工比率は約15%だが、近い将来20%に引き上げたいとしている。

   
「コネクティング・ルーム」 (左)と「3世帯が集まる空間」

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 至れり尽くせりの住宅だ。モデルハウスをそのまま首都圏で建てるとなると、地価の高いエリアでは1億、2億もするだろうが、潜在的な需要は間違いなくある。バブル崩壊後の経済・社会状況の変化と団塊世代のリタイアによって3世代住宅志向は強まるはずだ。

 驚いたのは「VERY」のキャッチフレーズ「基盤のある女性は、強く、優しく、美しい」だった。同誌は30代〜40代の女性向けに約36万部も発行されている月刊誌だか、小さい頃から「清く貧しく美しく」生きよと教えられてきた記者は「強く…」に面食らった。

 発表会に同席した同誌編集長・今尾朝子さんによると、「強く…」をキャッチフレーズに用いるようになったのは5年前からで、この言葉には「男性の半歩後ろを歩くのではなく、対等のパートナーとしてしっかり意見が言える自立した女性を志向する」(今尾さん)のメッセージが込められているという。

 既婚女性が自ら「強く」をアピールする背景には、依然として男性上位≠ェ幅を利かせている社会があり、草食系≠セの絶食系≠セの頼りない男性が増えていることと無関係ではなさそうだ。

 今も昔も女性・母は強いとは思っているが、30代〜40代の既婚女性が自ら「強く」をアピールしていることに、われわれ世代もすべての世代の男性も考えないといけない。

 最近取材した大京、東京建物、大和ハウスなどの女性だけの商品企画部門も同様だ。女性目線を抜きにしてマンションや戸建ての商品開発はもはやありえない。

   
「プチ・リュクス」(左=子世帯)と「パパ 's ステーション」

(牧田 司記者 2012年12月6日)