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圧倒的な人気呼ぶか東京建物他「Brillia City 横浜磯子」


「Brillia City 横浜磯子」ホームページから

 今年の最大の話題マンションの一つになりそうな「横浜プリンスホテル」跡地開発、東京建物(事業費率50%)、東急電鉄(同15%)、オリックス不動産(同15%)、日本土地建物(同10%)、伊藤忠都市開発(同10%)の5社JVマンション「Brillia City 横浜磯子」の分譲がいよいよ始まる。敷地面積は約 11.7ヘクタール、13棟全1,230戸の大規模なものだ。モデルルームを見学した。

 「横浜プリンスホテル」は、旧皇族で昭和天皇の義弟にあたる伏見邦英伯爵が建設し、その後、紆余曲折を経て「貴賓館」から西武鉄道の「横浜プリンス会館」になり、昭和35年には「横浜プリンスホテル新館」が開業された。そして、平成2年、がわが国を代表する建築家・村野藤吾の設計によって建設されたものだ。平成18年に売却が決まったときからどのようなものになるか注目されていた。

 物件は、JR京浜東北線・根岸線磯子駅から徒歩4分(駅から各住棟までは徒歩7〜10分)、横浜市磯子区磯子3丁目に位置する10階建て13棟、全1,230戸の規模。専有面積は56.19 〜145.58u、価格は未定だが、平均坪単価は220〜230万円台になる模様だ。竣工予定は平成25年6月下旬〜26年2月中旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション、大成建設。販売代理は東京建物不動産販売。

 これまでの問い合わせ件数は、東京建物の分譲マンションとしては過去最多の6,000件を突破しており、1月からの事前案内会来場者は1,500件に達している。3月中旬予定の第1期の販売戸数は未定だが、販売担当者は「300戸は越えたい」と語っている。

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 ポイントは、眼下に広がる景色をどう見るかだ。記者は何回かホテルを訪れたことがあり、宿泊もしている。磯子の地先は戦後に埋め立てられた埋立地で製油所とか火力発電所など工場地帯が広がる。その先は根岸湾で、遠く房総半島も望める。夜は漆黒とまではいかないが闇が広がる。この風景・夜景がいいか悪いかは人それぞれだろうが、標高約60メートルからの広々とした開放感は何物にも変えがたい。住むには最高の立地だ。駐車場の多くを地下方式にしているのもいい。

 アクセスは、エレベータの設置で現地入口までは近い。徒歩4分だ。ただ、敷地が広いから奥の住棟まではエレベータの出口から徒歩6分だという。以前の横浜プリンスホテルは丘の上だったから歩くのは大変だったが、11年前にエレベータも設置されていた。

 タウンマネジメント手法を採用して、マンションの居住者だけでなく商業施設、近隣の住民、行政などと地域のコミュニティを形成し貴賓館の活用も行う。孤立しがちなマンション管理組合にとって、これも大きな財産となり、地域の活性化に生かせるはずだ。

 横浜市の「CASBEE 横浜」で最高ランクのSを取得(一部は取得予定)しているのも強調できる。これまで市内でSランクを取得したのは記者の知る限り三菱地所レジデンス他「M.M.TOWERS FORESIS」と野村不動産「プラウド綱島」しかない。

 モデルルームはイタリアのデザイナー、ピエロ・リッソーニ氏による最上階4戸の特別仕様のものなど4タイプが用意されている。リッソーニ氏デザインの住戸は2億円はしないという価格はともかく、デザインは日本人に受け入れられるのだろうかと思うほど派手だ。床はオーク材を燻して凹凸がある表面にしている。佐戸川由里氏による住戸も壁に自然石を張るなどこれもやや派手。辻昌克氏と松田綾子氏によるものが一般的なファミリーを想定したモデルルームだ。プレミアム仕様では御影石カウンターと食洗機が装備される。

 問題の単価。記者は、東京建物が用地を取得したとき、坪単価は最低でも250万円、市況によっては300万円台もあると見ていたが、その後の市況の低迷、価格の下落で250万円でも厳しいと見ていたが、読み通りとなりそうだ。横浜プリンスホテルが建っていたI、J棟でも270万円(もっと高いか)ぐらいではないか。

 ユーザーがこの単価・グロスについていけるかどうかはともかく、立地条件、共用施設、タウンマネジメント手法の採用などを総合的に評価すれば、極めて単価は安いと思う。市内でもっとも相場が高いのは「みなとみらい」だろうが、住宅地としての環境ならこちらだ。都内23区と比べても、これほどの駅からの距離と立地の物件で、これほどの単価で収まる物件はそうないはずだ。

 モデルルーム、とくにシアターの見せ方もいい。シアターは縦が2.5mぐらいで、横が約6mの大型だが、映像はスクリーンの表に照射させるのではなく、スクリーンの裏側から照射させているのだという。これによって3Dのような映像効果が得られるのだという。黒地に銀色のティアラを浮きだたせた「THE PEAK」のキャッチフレーズもいい。担当者は「皆さん、シアターに感動されます」と語った。

 問い合わせ、来場者の数からして圧倒的な売れ行きをみせる可能性もあると見た。


「Brillia City 横浜磯子」ホームページから

(牧田 司記者 2012年2月2日)