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大和リビング 韓国での賃貸住宅の管理業を開始

 

 大和リビングは11月15日、大韓民国 (韓国)最大手の通信事業者 kt のグループ会社である kt estate)との合弁会社「KD Living」を 設立すると発表した。韓国内で今後成長が見込まれる賃貸住宅の管理についてkt estateと共同事業を展開する。大和リビングは日本で培ったノウハウとkt estateが保有する韓国内の不動産資産および情報網を活用し、事業拡大を図る。資本金は10億ウォン(日本円で約7,000万円)。

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 韓国の分譲・賃貸市場についてはさっぱり分からないが、同社広報や韓国籍の人に聞くと、韓国では賃貸用のマンションの供給はなく、分譲マンションを賃貸借するケースがほとんどだという。賃貸借契約も日本と異なっており、「ジョンセ」といって、契約期間は最低2年で、賃借人は2年間の賃借料を一括して貸主に先払いするそうだ。そして、賃貸借契約の満了時点で貸主は先払いで受け取った金額をそのまま借主に返却するという。つまり貸主は受け取ったお金を不動産や株などに投資して利ざやを稼ぐのだという。立地条件のいい分譲マンションは中古になっても値上がりする物件もあり、キャピタルゲインも期待できるという。

 このような方式の韓国で日本方式、つまり敷金、権利金、礼金、更新料が理解されるかどうかは不明だが、賃借人にとって初期負担が少なくなるので受け入れられるかもしれない。月ぎめの支払い方式は「ウォゥセ」と呼ぶ。しかし、それにしても韓国はバブル前の日本のように「土地神話」が続き、インフレが持続しないと成り立たない社会ではないか。「いつかきた道」にならなければいいが…。

(牧田 司記者 2012年11月15日)