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「ハードよりハート」に記者も共感

旭化成ホームズ「へーベルメゾン 母力(BORIKI)」


「へーベルメゾン 母力( BORIKI )」完成予想図

 旭化成ホームズは1月31日、子育て期の母親たちが望む賃貸住宅のあり方を提案する “ 子育て共感賃貸住宅 ” 「へーベルメゾン 母力( BORIKI )」を開発、本格発売を前にコンセプト及びサービスの検証を目的としたプロトタイプ1号棟を1月中旬に東京都内で着工したと発表した。

 開発に当たっては、株式会社トランタンネットワーク新聞社が運営するお母さんたちの学び合いのネットワークである「お母さん大学」と共同研究した。その成果を盛りこんだ商品で、一般的な保育サービスの提供や立地条件などのみでなく、「子育てを共感でき、気軽に助け合える仲間がいること」・「互いの子どもを自然と見守れること」・「社会と繋がりやすく、自発的な活動をしやすいこと」など、地縁の薄いお母さん同士を繋ぎ、地域社会とも繋がることに力を注いでいる。

 建物は、各住戸のアプローチ動線上に入居者のコミュニケーションスペースや遊び場を配し、母親や子どもがお互い交流しやすいよう工夫し、各住戸の間取りはコモンスペース(中庭や廊下)に面した玄関側にLDKや土間空間を設けることで、お互いの気配が緩やかに感じ合えるようにしている。

 着工したプロトタイプ「(仮称)むさしの母力プロジェクト」は、東京都武蔵野市に位置する鉄骨軸組制震フレーム工法地上2階建2棟の総戸数22戸。竣工予定は平成24年9月末日。

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 記者発表会の冒頭、主旨説明した同社集合住宅営業本部長・兒玉芳樹氏が「ハードよりハート。ものづくり的な発想とは全く違うニーズがあることが分かった」と語った。

 記者はこの言葉にピンときた。ここ数年、デベロッパーやハウスメーカーの子育てをテーマにしたマンションや戸建ての取材はたくさんしてきた。はっきり言ってうんざりするぐらいだ。みんな間取りや施設には力を入れているが、それを生かすソフトの部分が欠けていると思っているし、子育てを支援するためには夫の協力が不可欠だし、子育てを言うなら、夫婦仲がよくなるマンションや商品を発表してほしいとずっと思っている。

 今回の新商品は、まさにこのソフトを商品企画に盛りこんだ点が特筆できる。記者のいらいらを解消する可能性があると見た。 9.3 畳大の洋室の提案など、それこそ夫婦が仲良くできそうな空間も提案している。

 商品名の母力(BORIKI)」とは強力≠フような何とも強そうな母をイメージさせるが、そういえばゴーリキーの小説「母」も帝政ロシアを舞台に強い母をテーマにした小説だった。ただ、会見に臨んだトランタンネットワーク新聞社の女性社長さんも同社の女性スタッフもとてもやさしそうだったということだけは付け加えておく。

(牧田 司記者 2012年1月31日)