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面白い「週刊住宅」11月12日号の「ひと」

大和ハウスの「ハイ喜んでやる課」都築淳氏を紹介

 いつもそうなのかもしれないが、久々に面白い業界紙の記事を読んだ。11月12日付「週刊住宅」の2面の囲み記事「ひと」だ。「大臣認定外の面倒な注文も『喜んで!』 大和ハウス工業 ハイ喜んでやる課 都築淳さん」という見出しに吸い込まれた。同社が今年6月に立ち上げた集合住宅事業推進部営業統括部「ハイ喜んでやる課」の初代責任者の都築淳氏とその部署を紹介していた。

 見出しの「大臣認定外の面倒な注文も『喜んで!』」というのはこの時期あまりにも過激、刺激的すぎるが、この文言そのものは都築氏は語っていないので、記者の筆が勢い余ってこのような表現になったのだろう。スタッフは30人ぐらいで、部署を立ち上げてから4カ月で100億円超の受注を獲得したというから、ものすごい数字だ。

 記事の中で都築氏は「『できない、不可能、無理』」という言葉は、(うちの)課にはない」といい、「何らかの理由で当社を辞めることになっても、当社外で十分通用する人材になってほしい」という。「一番最初にやったことは電話を取るトーンを上げること」と指示も具体的だ。

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 「ハイ喜んでやる課」ですぐ思い出したのは、松戸市役所が昭和44年に「すぐやる課」を設け、話題になったことだ。その後、この種の部署名は官民を問わず全国的に広まった。

 「余の辞書には不可能の文字はない」というナポレオンの言葉はみんな小さい頃から教わっているが、「できない、不可能、無理」と同じ意味の言葉を3度も繰り返し、禁句とするのには並々ならぬ決意が込められている。 

 実は、この「できない、不可能、無理は禁句」 は第三企画・久米信廣社長が掲げる言葉だ。平成元年に掲げたという。久米は「そうしなければ、会社が存続できない状態だった。以来、『無理です、できません、私の仕事ではありません』という言葉を使うのを禁じた」という。

 記者は端からすぐ「無理です」と言いたくなるような場面にたびたび出くわすが、この行動規範は「待てよ、なるほど」と、相手の言葉を受け止め咀嚼し解決法を探る心のゆとりが必要ということを教えてくれる。それは「なせばなる」につながる。

 面白い課の名前では、マリモの営業部署は「おもてなし課」と呼ぶ。 電話対応では、「いつも笑顔で対応できるように」と、サンフロンティア不動産は電話機の前に鏡を置いているそうだ。

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 11月12日号の「週刊住宅」にはもう一つ面白い記事があった。12ページの「今読みたい注目の一冊」として住宅・不動産に関わる6冊の書籍を紹介している。みんな読みたくなる本ばかりだった。

(牧田 司記者 2012年11月12日)