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 三井不動産レジデンシャル 神社との一体整備

第2弾「パークタワー西新宿エムズポート」分譲


「パークタワー西新宿エムズポート」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルは9月19日、新宿区西新宿の成子天神社再整備プロジェクトで、期間70年の定期借地権付きマンション「パークタワー西新宿エムズポート」(全179戸)のモデルルーム見学会を行った。一般公開は9月23日からで、販売は10月中旬。

 物件は、東京メトロ丸ノ内線西新宿駅から徒歩4分、JR新宿駅から徒歩13分、新宿区西新宿8丁目に位置する27階建て全179戸の規模。専有面積は38.51〜77.99u、予定価格は2,790万円台〜6,700万円(最多価格帯3,000万円台、4,600万円台)、坪単価は261万円。設計・施工・監理は熊谷組。竣工予定は平成26年1月下旬。月額地代は約109円/坪。

 最大の特徴は、「(仮称)成子天神社再整備プロジェクト」の一角にあり、神社と一体開発の期間70年の定期借地権付マンションであることだ。神社との一体開発プロジェクトとしては、隈研吾氏が設計を担当したことでも話題となった2010年竣工の赤城神社再生プロジェクト「パークコート神楽坂」に次ぎ2物件目。

 地代を抑制し、超高層とするために敷地約1,300uに隣接する敷地とほぼ同規模の成子天神社の敷地に地役権を設定しているのも特徴だ。成子天神社は本殿・社殿を建て替え、マンションのほか賃貸マンションを建設し、境内や参道の整備を行う。

 また、業界初の大型蓄電池制御などを行うマンション共用部のエネルギーマネジメントシステム( MEMS )と各住戸のエネルギーマネジメントシステム( HEMS )の連携により、電力需給ピーク情報に応じたデマンドレスポンスなど、マンション全体の電力を最適化する最新のエネルギーマネジメントシステムを導入。デマンドレスポンスによる電力使用量低減に対して居住者への電気料金割引のインセンティブを還元する仕組みを構築している。

◇     ◆     ◇

 将来的にはどうなるか分からないが(ここは新宿の商業・業務、都庁、新宿中央公園、ホテル、病院へ徒歩圏という魅力を備えているエリアでもある) 、現時点ではファミリー層の需要は多くは見込めないエリアと記者は見ていた。地価水準が高く、所有権なら3LDKで6,000万円どころか7,000万円を突破するからだし、業務・商業エリアというイメージが強く、子育てにふさわしくないイメージが強いからだ。現に、近くのマンションは総じてファミリーマンションが苦戦を強いられている。

 エリア周辺には「西新宿5丁目北」「西新宿5丁目中央北」の再開発計画などがあり、2,000戸以上が建設される模様だ。

 その点、同社のマンションは全179戸のうち1LDKが約15%、2LDKが約50%、3LDKが約15%と、ファミリーの比率を抑えているのは正解だろう。これまでの来場者約400組のうち約80%が単身者・DINKSというのもこのエリアの特性をよく反映している。

 定期借地権付きとして単価・グロスを抑制しているのも納得だ。坪単価は260〜270万円ぐらいになりそうだと聞いていたが、その通りだ。グロス的には、約38uの1LDKで2,790万円〜、約57uの2LDKで4,130万円〜、約72uの3LDKで5,490万円〜という価格はユーザーも安いと感じるのではないか。

 販売担当者は「熟年層の来場は想定していなかったが、驚くほど多い」と語ったが、記者はこの単価でこのグロスなら「住んでもいいか」という熟年層がいても不思議ではないと思う。もちろん、神社の建て替えプロジェクトというのも大きなインパクトがある。隈研吾氏が設計を担当した神楽坂とは比較にはならないが、長い参道があり、広い神社の緑も魅力だ。

 1期で約140戸と多く供給できるのも、単価・グロス価格を安いと感じ、緑の環境を評価するユーザーが多いからでないか。

 居住性能、設備仕様では、食洗機はオプションだが、バックカウンター・吊り戸棚が標準で、リビング天井高2,600ミリ以上、鏡面仕上げの建具・面材、ソフトクローズ機能付き引き戸など。

   
エントランス                             モデルルーム

「神楽坂『赤城の杜』プロジェクト完成 三井不RDが見学会(2010/8/20)

(牧田 司記者 2012年9月20日)