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青山メインランド 完成販売&セットアップオーダーで差別化


「ランドステージ葛飾ウエストレジデンス」完成予想図

 青山メインランドが分譲中の「ランドステージ葛飾ウエストレジデンス」を見学した。同社は2年前から青田売りから竣工販売に切り替え、登記費用などを同社が負担するほか、カーテン・照明器具・エアコンなどがカタログから選択でき、しかも間取り・壁・収納を変更できる「セットアップオーダーシステム」を採用することで他社との差別化を図っている。このマンションもその一つだ。

 物件は、京成本線堀切菖蒲園駅から徒歩12分、葛飾区宝町1丁目に位置する10階建て27戸の規模。専有面積は58.43〜66.79u、価格は2,670万〜3,600万円(最多価格帯3,200万円台)。建物は平成24年6月に完成済み。設計・施工・監理はりんかい日産建設。

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 同社のマンションを見学するのは久々だった。7〜8年前に代々木駅圏で分譲したものを見て以来だった。「なかなかいい物件」というのが当時の印象だった。今回の物件は、建物が完成していたので売れ残りの他社物件を買い取った物件かと思ったが、そうではなかった。

 案内をしてもらった同社第2営業本部課長・山梨敏行氏によると「無駄な宣伝も行っておらず、 2 年前から棟外モデルルーム販売から完成販売に切り替え、『セットアップオーダーシステム』を導入して付加価値をつけ他社との徹底した差別化を図っているので、他社より単価が高くても激戦地でも勝負できる」と話した。

 山梨氏が話したように、確かに坪単価はやや高いように思う。しかし、その分、購入時にかかる登記費用、その他家具などの費用がかからないから自己資金に回せたり、初期費用を軽減できるメリットもある。山梨氏は「他社のようなカウンターセールスなどやっていませんし、各営業マンにはお客さんの家計・資金相談などコンサルティング営業ができるよう徹底した研修も行っている。この『葛飾』も6月下旬から販売開始して半分売れている」という。

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 完成販売と「セットアップオーダーシステム」はなかなかいい販売手法だ。完成販売は地価・価格が右肩下がりの時代ではデベロッパーにとって採用しづらい手法だが、購入者にとってはいいに決まっている。

 セットアップオーダーシステムも購入者にとって初期費用を抑えられるからありがたい制度だろう。初期費用は物件によって異なるが、登記費用、ローン手数料、インテリア・家具などを含めれば最低でも200万円ぐらいかかるはずだ。これが資金的に余裕のない人にとっては厳しい。これらが軽減されるのだから、購入者にとってありがたいはずだ。

 分譲価格を抑えるために設備仕様レベルを下げるのも一つの手だが、最低限のものを標準仕様としローンに組み込めるようにするのも選択肢としてありうる。最近はカップボードなどを標準化する物件が増えているがいいことだ。

(牧田 司記者 2012年8月20日)