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「オープンレジデンシア南青山ウエストテラス」

人気になるか 坪350万円は安い


「オープンレジデンシア南青山ウエストテラス」完成予想図

 オープンハウス・ディベロップメントが近く分譲する「オープンレジデンシア南青山ウエストテラス」の現地を見学した。外苑前駅から徒歩3分の青山通りから一歩入ったところで、周囲はビルやマンションなどが建て込んではいるが、青山霊園や小公園、小学校にも近接しており単価も安いことから人気を集めそうだ。

 物件は、東京メトロ銀座線外苑前駅から徒歩3分、港区南青山二丁目に位置する9階建て全38戸の規模。専有面積は53.93〜109.36u、1期(5戸)の予定価格は5,400万円台〜12,000万円台、坪単価は約350万円。竣工予定は平成25年9月。設計・監理は長谷建築設計事務所。施工は大末建設。販売代理はオープンハウス。

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 冒頭に「単価も安いことから人気を集めそうだ」と書いた。この記事は一般の方にも読まれているので、なぜ安いのか若干補足説明を加えよう。

 記者はいつも現地見学する前に単価を予想する。30年間もずっとマンションの取材をしているとほとんど首都圏のマンションの単価相場は頭の中に入っている。その相場観と実際の現地の土地の価値、デベロッパーのブランド力・商品企画力、市況などから修正を加え分譲単価をはじき出す。

 「外苑前駅から徒歩3分」の立地だったら、相場はまず坪400万円は下らないし、立地条件によっては坪500万円を突破するというのが記者の相場観だ。

 しかし、現地の住環境や接道状況などから坪400万円、 20坪で8,000万円では厳しいと読んだ。現地が商住混在地なのと、L型の不整形の敷地で東側道路に面した間口が狭いことがその理由だ。

 住環境や敷地形状に難点があることから単価予想を引き下げたのだが、その一方でこの土地には魅力もあると判断した。それは、表通りに面した敷地の間口は狭いが、敷地に隣接している建物を回りこんだ南側の路地にも接道しており、そこからは青山公園や青山運動場、青山小学校、青山霊園に歩けば2〜3分と近いことだ。下層階はともかく、中層階以上の南側や西側はかなり開けている。建物が完成したときのイメージと「南青山」の魅力を訴え切れれば、坪350万円なら十分売れるし、周辺の供給物件とも比べも割安感があると判断した。同社に聞いたら、価格が未定の段階でもかなり問い合わせがあるという。これまでの同社のマンションがそうだったように、圧倒的な割安感があるのが同社のマンションの特徴だ。

 オープンハウス・ディベロップメントは同じ南青山地区で「オープンレジデンシア南青山 骨董通り」(39戸)も同時分譲するが、こちらも「ウエストテラス」と同様か若干単価は安くなるという。これも納得だ。立地を考えると「ウエストテラス」のほうがいい。

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 現地を見学して帰ろうと思ったら、現地の道路を挟んだ対面に同社のマンション建設の看板がかかっていた。しっかりは見なかったのが、敷地は数千坪ぐらいあった。ここ数年、業績好調のオープンハウスだが、よくぞこんなに広大な土地を取得したものだと驚いた。そこで早速、同社の開発・販売担当者に電話で聞いた。確かにマンション計画はあるのだが、戸数は20戸ぐらいで、分譲するのは広大な空き地の隣接地だった。

 それで納得もした。今回分譲するマンションの物件名に「ウエストテラス」と付けられているのはそのためだ。もう一方は「イーストテラス」にするのだろうか。

 問題は、果たして同社のマンション建設予定地に隣接する広い空き地をどこが所有しており、ビルになるのかマンションになるのかだ。港区と東京都、地元の不動産業者に片っ端から聞いたが、どこも分からなかった。

 そんなわけで、現段階ではこの対面の空き地(住居表示は「南青山 2-15」)がどうなるのか不明だが、マンションなら坪500〜550万円と記者ははじいた。2中高(容積率は200%)だが、高層住居からは青山霊園などが一望できる一等地マンションになるはずだ。

(牧田 司記者 2012年8月7日)