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 野村不動産「プラウドシーズン津田沼前原」

全61戸が3カ月で完売へ


「プラウドシーズン津田沼前原」

 野村不動産が分譲中の全61戸の建売住宅「プラウドシーズン津田沼前原」を見学した。モデルハウスのオープンが4月28日で、すでに1期41戸が6月中旬に平均3倍で即日完売し、近く分譲される2期20戸も人気になるのは必至だ。来場者は300件に達している。わずか3カ月で完売することになる。

 物件は、 新京成線前原駅から徒歩2分、または総武線「津田沼駅から徒歩18分、 船橋市前原西6丁目に位置する全61区画の団地。2期20戸の敷地面積は135.00〜156.37u、建物面積は95.28〜124.74u、価格は4,798万 〜5,798万円(最多価格帯4,900万円台・5,200万円台・5,300万円台・5,700万円台)。竣工は平成24年5月中旬。建物は2×4工法2階建て。設計・施工は東急建設・西武建設。登録申し込みは7月21日〜29日。

 現地は全59棟から構成されていた旧公団「前原団地」の敷地の一角で、緩やかな東南傾斜地。1999年から建替え事業が行われており、今回が最終段階の再開発。用途地域は第一種中高層住居専用地域(建蔽率60%、容積率200%)だが、地区計画によって戸建てエリアとし、最低敷地面積は135u以上、建物の高さ10m以内、壁面を道路境界線より1m以上後退させることなどが定められている。

 敷地計画は、調整池の上に地盤を設け公園ととしているほか、前面住戸との高低差を設け、北側屋根をセットバックさせることによって各住戸の採光にも配慮。道路幅は6m以上としている。街区の一部道路にはインターロッキングを採用している。

 建物は、南イタリアのカルーソをモチーフにオレンジ系の屋根瓦を採用し、八角形の門柱、ロートアイアン調の手すり、鉄製のメールボックス、ボックスカルバート(鉄筋コンクリートでつくられた車庫スペース)などを採用しているのが特徴。サッシは2.2mに統一し、引き戸はソフトクローズ、浴室は16×18または16×16サイズ。


エントランス

◇     ◆     ◇

 現地で同社住宅事業本部住宅営業一部・佐藤大介氏や同部・鶴田紋子氏に話を聞いたが、1期では最高倍率が11倍で、平均でも3倍になったと聞き驚いた。

 もちろん、駅に近い、津田沼駅へも歩こうと思えば歩けること、南傾斜地の大型団地など、人気の要因はいろいろ挙げられるが、人気の要因は値付けにもあると思った。道すがら価格を予想した。いわゆるパワービルダーの物件は高くても 4,000 万円だろうが、野村はそんな安普請の建物を建てるはずがなく、相場としては6,000万円もあると思った。ただ、6,000万円を越えるとなると販売では苦戦するのではないかと考えた。その通りのようで、6,000万円を超える住戸は1戸もないとのことだった。

 同社は唯一バブル崩壊後も大型団地の開発を継続して行っているデベロッパーだが、だからこそ市場のニーズにマッチした商品を供給できるのだろうとつくづく思った。今回の物件もこれまで供給してきた建売住宅と基本的には商品企画は変わらない。

 同社は現在、年間600戸ぐらいの供給量だが、近い将来1,000戸台に乗るはずだ。これまで供給事例がない埼玉あたりでも土地の仕入れを行うのではないかと見ているがどうだろう。

  

(牧田 司記者 2012年7月24日)