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三菱地所レジデンス

soleco (太陽光発電+一括高圧受電)」見学会


太陽光パネル

 三菱地所レジデンスは5月29日、「soleco(太陽光発電+一括高圧受電)」(以下、ソレッコ)を搭載したマンション「ザ・パークハウス三軒茶屋タワー」の現地見学会を行った。

 物件は、東急田園都市線三軒茶屋駅から徒歩9分、世田谷区上馬1丁目に位置する30階建て全158戸の規模。現在分譲中(11戸)の専有面積は41.66〜101.89u、価格は3,658万〜9,500万円、坪単価は295万円。建物は2012年3月に竣工済み。設計・監理は三菱地所設計。施工は清水建設。

 都の総合設計制度認定を受けた世田谷区最高峰のタワーマンションで、制震構造を採用しているほか、逆梁工法による約2.5mのハイサッシ、角部屋比率68%などが特徴。昨春に分譲開始し、現在の残住戸は11戸であることから売れ行きは好調。

 ソレッコは、同社の100%子会社「メック eco ライフ」(以下、メック)が業界に先駆けて開発したもので、マンション居住者は毎月の電気代が10%安くなり、共用部分の電気代が年間約12万円節約できる。

 メックは一括受電設備を賃貸し、その賃貸収入を太陽光発電設備コスト費用に充当し、また太陽光で発電された電力を環境価値化(グリーン電力証書化)して三菱地所に売却して収入とするメリットがある。

 三菱地所レジデンスにとっても、環境に優しい企業イメージのアップや電気変電設備のコスト削減効果も期待できる。いわば三方良し、一石三鳥のシステム。

 三菱地所レジデンスは2009年に初採用して以来、40戸以上のマンションに採用しており、現在、17棟が竣工済み。今後、毎年30棟以上が竣工するという。

 三菱地所レジデンスとメックでは、今後、既存のマンション管理組合などにも採用を働きかけていくという。


「ザ・パークハウス三軒茶屋タワー」

◇    ◆    ◇

 このシステムは「三方良し、一石三鳥」と書いた。記者自身もよく分からなかったので、ここで分かりやすく整理してみた。

 まず、マンション居住者のメリット。第一は、電気代が10%安くなることだ。これは、電力会社から低圧電力の供給を受け個々の居住者が個別契約する従来方式と異なり、管理組合が大量の電力を消費する大口向けの高圧受電契約をすることで可能になるものだ。

 ソレッコでは、管理組合から委託を受けた一括受電サービス代行会社の中央電力が高圧電力を、低圧に変圧して各住戸へ供給する。保守、点検なども中央電力が行う。現在の低圧料金は24円/kwなのに対し高圧料金は17円/kw となっており、この差額のうち約4円/kwが中央電力のサービスコストとなり、残りの約2円/kwが入居者のメリットとなる。契約では、低圧料金の10%引きとなっているため、近く値上げされる予定の電気料金よりも10%引きで入居者は利用できる。

 第2は、5kw太陽光パネルによって昼間の共用部分電気使用料が年間約12万円節約できる。節約した金額はマンション修繕積立金などに充当できる。

 第3は、居住者(管理組合)が煩雑な保守や契約をすることなく、また24時間漏電監視もされているので、安心して利用できるメリットがある。

 メックにとってのメリットはどうか。変圧器やメーターなどの機器類は同社が所有し、中央電力に貸与することで賃借料が収入になり、その収入から太陽光発電設備に充てることにより負担が軽減される。同社によると、システム設置費用は一般的なマンションで50万円/kwだという。

 また、太陽光で消費された電力を環境価値化(グリーン電力証書化)して、CO2排出事業者である三菱地所に10円/kwhで売却して収入を得るメリットがある。

 三菱地所レジデンスも前述したように、環境問題に取組んでいることをアピールすることで企業価値を高め、実際のマンション販売面でもプラスに働くメリットを享受できるというわけだ。


モデルルーム

(牧田 司記者 2012年5月30日)