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高層住宅管理業協会 新理事長に山根氏

協会名を「マンション管理業協会」へ変更


山根理事長

 高層住宅管理業協会(管理協)が5月18日、定例総会を総会を開き、新しい理事長に山根弘美氏(ダイワサービス社長)を選任するとともに、協会名を「マンション管理業協会」に改めることなどを決定した。前理事長の黒住昌昭氏(大京アステージ会長)は相談役に就任した。

 総会後の懇親会で挨拶にたった山根・新理事長は、新年度の方針として「住生活総合サービス業」としていかにあるべきかの理論・研究を一層進め、建物・居住者の高齢化問題、建物の高寿命化、管理の品質の向上などの課題に積極的に取り組んでいく姿勢を示したうえ、「私は20数年前、マンション管理人からこの業界に入った。誰よりもこだわりがある。われわれの舞台は、マンションの管理・運営サポートだが、私自身、阪神淡路の震災も経験しているからいえるのだが、全国で約1,400万人の命と生活にかかわっている。それを生業にしている。防災・コミュニティの向上には大きな使命がある」と、自らの経験を紹介しながら、安心・安全の取り組みに力を入れていく強い姿勢を見せた。

 また、来年4月1日付で予定している社団法人から一般社団法人への移行に伴い協会名称を「マンション管理業協会」に変更することについては、「分かりやすく、実態に沿うように変更した」と語った。


黒住相談役

◇    ◆    ◇

 山根新理事長の挨拶は最高だった。約10分間、協会の目指すべき方向性を一語一語、かみしめるように語った。これまで30有余年、この種の会合には数え切れないほど出席しているが、これほど明快な挨拶はそれほど経験していない。山根氏に理事長を譲った黒住昌昭・前理事長も「私が見込んだだけのことはある」と喜んだ。後で山根氏に聞いたら、話す時間は当初の予定20分間が10分間に急遽変更されたそうだ。(ただ、正直に言えば、挨拶が20分だったら参加者からは総スカンを食らったのではないか。挨拶は短いほうがいい)

 乾杯の音頭を取った黒住前理事長は、「5年間務めさせてもらったが、無事にバトンタッチすることが出来た。この間、マンション管理の理念が変わった。フローからストックへの時代に変わり、この業界の重要性は益々強まっていく。安心で快適な住生活が出来るよう、夢が持てるよう業界を挙げて取り組んでいただきたい」と、退任の挨拶をした。


総会後の懇親会(第1ホテル東京で)

◇    ◆    ◇

 こんなことは言いたくない。記者は不偏不党だ。政党批判などしたくない。しかし、言わざるを得ない。来賓として招かれていた民主党の代表として挨拶した水戸まさし氏の空疎な挨拶だ。記者はメモを取っていたが、記録すべきことはほとんど話さなかった。そればかりか、よく聞き取れなかったのだが、「平成10年(あるいは10年前と言ったのか)、区分所有法の … (成立か改正か) … 」には、水戸氏は何も分かっていないと思った。

 平成10年だろうが10年前だろうが区分所有法の大幅な改正は行われていない。水戸氏は「マンション管理適正化法」が施行されたことと勘違いしているのだろうと思った。政党の、しかも政権政党の代表としてプロ≠フ前で挨拶するのだから、このような基本的なミスは許されない。例えて言えば、結婚式に主賓として招かれて、新郎新婦やそのご両親に関する基本的な、誰にでも分かることを間違ってしゃべることと同じだ。参列者がどのような思いをするか、考えて欲しい。「政治家」を職業とする人は絶対に犯してはならないことではないか。

 お粗末な民主党の議員の挨拶とは対照的だったのが、自民党の菅義偉衆院議員、公明党幹事長の井上義久衆院議員、同党代表の山口那津男衆院議員の挨拶だった。ともに区分所有者で、プロでしか分からない専門的な分野まで踏み込んで話をした。井上氏は「区分所有法を含めて法体系を根本的に見直すべき」とも語った。

 この3氏の挨拶で溜飲を下げたのだが、もう一つ、おまけがあった。ある先輩記者に対して、山口代表が「先輩 …」と頭を下げて挨拶し、記念写真も撮った場面だ。先輩記者の名前は明かせないが、高校時代の先輩、後輩だとか。公党の代表に頭を下げさせる記者がいることに驚くとともに、先輩、後輩の関係を大事にするわが国の文化は捨てたもんじゃないと思った。年齢の差は絶対逆転しない。しかし、最近は野良猫にも馬鹿にされる記者はいったいなんだろう。


左から山根氏、山口氏、黒住氏

(牧田 司記者 2012年5月18日)