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 スウェーデンハウス レベル高い「印西牧の原」の建売住宅

隙間は居住面積の0.000067%


「スウェディッシュガーデン印西牧の原」

 スウェーデンハウスは4月16日、千葉ニュータウンで開発を進めているスマートシティ「スウェディッシュガーデン印西牧の原」全24区画のうち建売住宅4棟が完成したのに伴い、記者見学会を行った。高い気密性・断熱性を証明するために家の隙間の大きさを数値化する「C値」を実際に測定するなどして、次世代省エネ基準住宅よりはるかに高い数値であることを実証した。

 「C値」とは、建物の床面積1u当たりの隙間面積(cu)を示したもの。数値が小さいほど優れた性能を持つとされ、関東エリアの次世代省エネ基準は「5.0」とされている。今回の建売住宅はその場で測定した結果、速報値として「0.5」を示した。

   
「C値」測定機                   キッチン

 また、家の断熱性能を表す数値に「Q値」があり、数値の小さいほど断熱性能が高いことを示すもので、次世代省エネ基準は「2.7」であるのに対し、同社の建物は平均で「1.32」だという。この差は、燃費のいい軽自動車(燃費18.8km/l)が1年間に8,000kmを走行した場合に相当するという。

 発表会に臨んだ同社常務取締役執行役員営業本部長・小島敏之氏は「スマートシティで大事なのはエネルギーの最適化を図ることで、エネルギーを逃がすような家ではダメ。幸い、前期は若年層向けに発売した『SAKITATE (サキタテ)』効果もあり、前期比106%の受注実績をあげた。秋には『SAKITATE』より少し年代の高い40歳代半ばをターゲットにした新商品を発売する」と語った。

     
商品について説明する左から設計部・菱川亜紀子さん、千葉支店設計次長・松永由起子さん、小島常務

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 高気密・高断熱性能には驚いた。「C値」の測定は、全ての窓を閉じ通気孔も蓋をして行われたのだが、はがきの半分ぐらいしかなかった。建物の延べ床面積は約33坪で、隙間は74cuだから、延べ床面積に対する隙間の大きさは0.000067%だ。ほとんどないに等しい。

 窓などの開口部を少なくすれば、数値はあがるがその分、居住性が損なわれる。わが国の在来工法とは考え方が異なるが、開口部を十分確保しながら気密度を高める同社の技術が素晴らしい。ずっと締め切ったままなら、そのうち空気(酸素)がなくなるのではと心配したほどだ。実際は24時間換気を行っているからそのような心配は全くないのだそうだ。

 建売住宅としてのレベルの高さにも注目した。土地面積が約52坪で、建物が約33坪、価格は4,710万円。最近のこのあたりの相場はわからないが、腰壁、建具・面材などにレッドパインをふんだんに採用し、床も巾木も回り縁も無垢材だった。廊下幅は1.2m、階段幅は1,050oを標準化していた。

 記者団から小島常務に対して「建売住宅をこれから増やすのか」という質問が飛んだ。小島常務は想定外の質問だったようでしばらく「…」。

 この前の三井ホームもそうだったが、ハウスメーカーはもう少し建売住宅の自社分譲や請負について考えたほうがいい。土地を背負い込むリスクは考えないといけないが、果敢にリスクに挑戦する勇気も必要ではないか。「C値」や「Q値」が抜きん出ていることをアピールするのは、自らが売主になるのがもっとも適していると思う。

   
ここに住むとこんな自然がいっぱい(左から白、赤のシバザクラ、タンポポ)

(牧田 司記者 2012年4月16日)