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 「三井アウトレットパーク 木更津」4月13日オープン

地域活性化に貢献 約2,000人の雇用創出


「三井アウトレットパーク 木更津」外観

 三井不動産とららぽーとマネジメントは4月13日、千葉県木更津市の金田東特定土地区画整理事業地内で開発を進めているシリーズ12施設目となる「三井アウトレットパーク 木更津」をグランドオープンするが、オープンに先立つ11日、プレス向け説明会と関係者による内覧会を行った。

 今回オープンするのは第1期の店舗面積約28,000u、171店舗(うちアウトレット店148店)で構成されており、建物は同社初の平屋建て。主な特徴は、 @171店舗中、アウトレット “ 日本初出店 ”21店舗を含む “ 関東地方初出店 ”46店舗 A 「BOSO CITY RESORT 」をコンセプトにリゾート感と開放感の溢れる施設空間を演出 B東京湾アクアライン利用で東京都心部・神奈川県など首都圏広域からも優れたアクセスC省エネ機器の積極採用による消費電力の削減(同社既存施設比約20%減)、ショッピングセンターとして東日本最大規模となる約 600kw の太陽光発電設備を設置−−など。初年度の売上目標は320 〜340億円。2期工事を含める最終的には200〜250店舗のわが国最大級の規模となる。

    
平屋建ての店舗                            壁面緑化 

◇    ◆    ◇

 いつものことだが、記者はこのような「アウトレット」なるものが全然分からない。171店舗のうち知っているものを数えたら、「アルマーニ」「ポロ」「バーバリ」などのメジャーのほか、つい先日、野村不動産とコラボしたので知った「ユナイテッド・アローズ」、帰りの傘を399円で買った「セブン・イレブン」、コーヒーを飲んだ「タリーズ」を含めても30店舗ぐらいしかなかった。

 そんなわけで、アウトレットそのものについては書きようがない。ほかの媒体を読んでいただきたい。

   
「BABYLONE STOCK」                         「SHIPS」

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 記者がもっとも注目したのは地域の活性化だ。この木更津には7年ぐらい前、区画整理の取材で訪れた。かつて区画整理事業は「都市計画の母」と呼ばれた。地価が右肩上がりのときは全国いたるところで事業が行われた。同市は、区画整理の組合長が市長にもなったぐらい積極的に取り組んできた市町の一つだった。

 ところが、記者が訪ねたときは、バブル崩壊の影響がもっとも深刻な形で現れており、市長が逮捕されるし保留地は売れないし借金は膨らむ一方で、どこの組合施行も青息吐息の状態だった。そのときも雨が降っており、茫漠たる赤茶けた造成地をみて「都市計画の母」が泣いていると感じた。

 今回の金田東特定土地区画整理事業は都市再生機構が施行している約155.6ha にも及ぶ大規模なもので、施行期間は平成11年から30年までに約12,500人の人口を見込んでいる。近くには千葉県が施行している約110.8haの「金田西地区」もある。

 ここでは、どうしてバブルが崩壊して10年近く経過してから区画整理など始めたのか、その事業採算などについて触れないが、今回のアウトレットは地域の活性化に貢献しているのは間違いない。

 プレス説明会で挨拶した同社専務取締役商業施設本部長・飯沼喜章氏も地域貢献について、「1つは、海外からのお客さんを含めたくさんのお客さんを呼び込み、企業誘致も計画されていること。2つ目は木更津の認知度が高まり、地域の活性化に貢献できること。3つ目は地元中心に約2,000人の雇用を創出したこと」などと強調した。

 同社によると、パート・アルバイトも含め雇用は2,200〜2,300人で、このうち千葉県居住者は約95%、木更津、君津などの地元が約60%だという。

 この数字は大変な数字ではないか。木更津市の行政資料や商業統計をここで詳しく見る余裕はないが、店舗数は昭和60年の2,515店から平成19年には1,306店とほぼ半減し、従業者数も1,2,949人から9,704人に大幅に減少している。この数字からももアウトレットの果たす役割の大きさが推測できる。

   
「ユナイテッド・アローズ」                       「BOSSO(ボッソ)」

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 この施設の特徴の一つは同社初の平屋建てであることだ。これは地代(URから賃借)が安いから実現したのだろうが、2階、3階建てと比べ利用しやすくなっている。そして、ここには同社グループの三井ホームの得意技術が採用されている。建物はほとんどが鉄骨造だが、うち5区画(4店舗)を三井ホームがツーバイフォーで施工した。店舗面積は約216坪だ。外観は鉄骨造と変わらないが、これほどの大きさの大空間を造れる同社の技術力を目のあたりにした。

 その店舗の一つ「SHIPS」の店長(30)は、「私は幕張からこちらに転勤になりましたが、スタッフ15名のうち13人が木更津。つまり、オール千葉です。地域の活性化に貢献している」と話した。

 やはり三井ホームが施工した店舗「BABYLONE STOCK」の女性スタッフ(28)も「6人のうち3人が地元。私は入間から転勤し、こちらに住んでいます。若い人が働けるようになっていい」と歓迎した。

 他の店舗も同様だ。「ユナイテッド・アローズ」はスタッフ19名のほとんどが千葉県民という。地元出店のイタリアン「BOSSO(ボッソ)」の渡邉剛志社長(40)は、「25人のスタッフはすべて千葉県人。地産地消をコンセプトの一つにしています」と語った。食材には南房総の菜の花、銚子のイワシ、旭のなでしこポーク、九十九里オーシャンビールなどがメニューに入っていた。

  
竣工披露パーティ                               三井ホームが施工した店舗

(牧田 司記者 2012年4月11日)