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タカラレーベン 「非日常」徹底して盛り込み健闘

湯河原のリゾートマンション

「レーベンリゾシア ヴェスティ ブルー」


「レーベンリゾシア ヴェスティ ブルー」完成予想図

 タカラレーベンは3月21日、眼前に相模灘が広がる熱海市のリゾートマンション「レーベンリゾシア ヴェスティ ブルー(海極プロジェクト)」が完成したのに伴い記者見学会を行った。

 物件は、JR東海道線湯河原駅から徒歩14分、静岡県熱海市泉元門川分に位置する7階建て全221戸の規模。現在分譲中の住戸の専有面積は50.81〜101.45u、価格は2,398万〜6,078万円(最多価格帯3,800万円台)、坪単価185万円。施工は東海興業・ライト工業建設共同企業体。2010年11月から販売開始し、これまでに約7割を契約済みだ。

 最大の特徴は、「非日常」を徹底して追求していることだ。現地は、熱海ビーナスラインに隣接し、3方が相模灘に面した湯河原の突端。温泉付きのスパ施設をあるゼネコンを通じて同社が2007年に取得したものだ。

 その翌年、リーマン・ショックに見舞われた。基本設計はでは共用施設は約700uだった。「これでは売れない」と判断した同社・島田和一副社長は、全面的な企画の見直しに着手した。実施設計を担当したのは柳学アーキテクツ・柳学氏だ。「普通のリゾートマンションのありきたりの共用部分を脱し、非日常を最大限に盛り込むことが大事。ホテルや旅館に来たような雰囲気が味わえるものにしよう」と考えた柳氏は、それまでの共用施設の倍以上の1500uを共用施設に充てた。 

 バーカウンターを備えたラウンジ、大浴場、和・洋をテーマにした2つの貸切家族風呂、和と洋のゲストルームなどだ。前面にさえぎるものがない特徴を生かし、それぞれの施設には露天風呂を配したりウッドデッキテラスなどを設置した。洋のゲストルームは、キッチン、トイレ、収納などに円形のデザインを施した。

 この企画がヒットし、リーマン・ショック後の最悪市場でも月間8戸ぐらいのペースで売れていた。ところが昨年 3 月の東日本大震災で販売は半年間ストップした。しかし、今年に入り、来場者が増えだし、今は震災前と同じペースで売れていると言う。購入者の3割ぐらいは、リタイア後の定住を考えている富裕層だという。

  
ゲストルーム(和)                          ゲストルーム(洋)

◇    ◆    ◇

 これまで熱海・伊豆方面のリゾートマンションは相当取材した。物件の数にしたら20件はくだらない。その中で海に面したマンションは2物件ぐらいしか記憶にない。これほど共用施設が充実しているマンションはバブル崩壊後で初めてだ。

 リーマン・ショックと東日本大震災の影響で、このマンションも苦戦は必至と思っていたが、予想外の売れ行きに驚いた。大健闘だ。

 島田副社長と一緒に現地を見て購入を決めた仕入れを担当した同社建築部建築企画課課長・吉村典彦氏も「リーマン・ショックと震災の影響は受けたが、キャンセルはほとんど出なかった。これからは実際の建物を見ていただけるので完売までにそう時間はかからない」と語った。同社のリゾートマンションはこれで6件目だが、どうすれば売れるかというノウハウをしっかり身につけたようだ。熱海ではもう1件、新規物件を検討しているという。

  
貸しきり家族風呂                            大浴場

     
柳氏(左)と吉村氏


完成予想図(道路は熱海ビーナスライン)  

(牧田 司記者 2012年3月22日)