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オープンハウス大金星 土肥−北原の継投ズバリ

9番の塚中が同点2ラン 光永サヨナラ打

  
左からオープンハウス塚中、北原、仲條
1
2
3
4
合 計
旭化成ホームズ    
オープンハウス 2X    
(7回延長サドンデス)

 旭化成ホームズ6年ぶりに敗戦 連勝37どまり

 オープンハウスが王者旭化成ホームズを延長サドンデスで破る大金星を飾った。9番の塚中が同点の2ランを放ち、延長では4番光永がサヨナラ打を放った。土肥−北原の継投も決まった。旭化成ホームズはまさかの敗戦。エース今野が打たれた。

 オープンハウスは2回、2死から新人の6番日隈が敵失で出塁、続く平賀が中堅超え2塁打を放ち先制。逆転を許し2点差を追う5回には、2死から8番町田が左翼前安打、パスボールで2進したあと、9番塚中が左翼超え本塁打して同点。

 延長サドンデスで1点を先行された7回裏、3番合津のショートゴロは名手北寒寺と走者の梅田が交錯した幸運も手伝って北寒寺がエラーして同点に。続く光永が中堅前にはじき返してサヨナラ。

 先発の土肥は3回途中まで投げ、無安打無失点に抑え、その後を継いだエース北原は立ち上がり力みから3失点したが、その後はストレートとスライダーの力の勝負で旭化成打線を封じた。


先制点に沸くオープンハウス 

  旭化成  席打安点
E 北寒寺4 1 0 0
C 木 下3 2 0 0
H 佐 藤3 3 0 0
D 深 海3 2 0 0
F 大久保3 3 0 0
G 久保田3 3 1 0
B 中 山3 2 1 1
DH 松 島2 2 0 1
PH 管 野1 1 1 0
A 津久井1 1 0 0
PH 渡 辺1 0 0 0
2  山 本1 1 0 0
振球犠  
3 7 0 2821 3 2
……………………
オープン 席打安点
E 梅 田3 3 1 0
C 今 野3 3 0 0
G 合 津3 3 1 0
F 光 永3 3 0 0
A 仲 條2 2 0 0
D 日 隈2 2 0 0
DH 平 賀1 1 1 1
PH 伊 澤1 1 0 0
B 町 田2 2 1 0
H 塚 中2 2 1 2
振球犠
3 0 0   2222 5 3
…………………
投 手 回安振球責
今 野 6 5 3 0 2
…………………
土 肥 2.10 1 2 0
北 原 3.23 2 5 2
本塁打 塚中 2塁打
平賀 合津 中山

 1点先制された旭化成は4回、代わった北原からこの回先頭の4番深海が四球を選び出塁した 1死後、6番久保田、7番中山の長短打で逆転、さらに暴投で1点を追加してこの回3点。延長サドンデスでは北寒寺が犠飛で1点を挙げたが後続を断たれた。先発の土肥から4四死球を選びながら1点も取れなかったのが痛かった。北原には力でねじ伏せられた。

 6回までの18アウトのうち内外野の飛球が12で、三振が3個だからゴロを3つ(うち失策1個)しか打てなかった打線にも問題があった。初回、北寒寺が四球を選び2盗、3盗を決めたが得点できなかったのも痛かった。

 今野は、先発予定の平山が遅刻したため今季初登板。「調子はよかった」というが、どうだったのか。2ランを浴びたことに対して山本捕手は「油断があった」と悔いた。

 次戦は長谷工アーベストだが、山本と北寒寺は全国表彰で、菅野と渡辺は家族サービスでそれぞれ欠場し、平山の先発を鈴木監督は予告した。

○ 佐藤監督 相手が予選ということで力を抜いてくれたので助かった。次(住友林業)も強い相手なので気合を入れていく

○ 北原 背番号1(菅野)はいやなバッターだった

○ 仲條 僕のリードがうまかったでしょ(サドンデスの場面、北寒寺をスライダーとストレートで追い込み、3球目は外角のスライダーで平凡なキャッチャーフライに討ち取ったと思ったが、仲條はワンバウンドで捕球し併殺を狙ったのか追わずにファウルに。狙いはいいが、技術が併殺を完成させるレベルにないということも理解すべき=あの飛球を併殺できる捕手はRBAにはまずいない)

○ ナイン 塚中はこれまでほとんど打ったことがない

● 鈴木監督 ついにこういう事態が起きてしまった。しかし、われわれは連勝記録が目的ではなく総合優勝すること。さらにチーム力を上げていく

● 今野 調子は悪くなかった。来週は北寒寺がいないので、ショートを狙いたい(野手転向に意欲を見せる。打撃には自信がありそうで、一度見てみたい)

    
左から旭化成ホームズ今野、津久井、中山


左から北寒寺、今野、山本


旭化成ホームズの反省会

 
旭化成ホームズの反省会後の歓談

分けが分からないオープンハウス佐藤監督の仕掛けが勝因?

 無敵の王者旭化成ホームズを破ったのは、強豪のリストでもなく、同じハウスメーカーの住友林業や積水ハウスでもなく、古豪の東急リバブルでもなかった。38連勝を阻み6年ぶりに黒星をつけたのは開発事業と仲介事業で業績を伸ばしているオープンハウスだった。

 記者は、どこが旭化成ホームズを破るだろうとずっと考えてきた。そのチームはリストでも住友林業でも積水ハウスでも東急リバブルでもないと思ってきた。そう思う根拠はただ一つ、「同じような試合をして勝とう」という戦略は通用しないと考えているからだ。勝つのは正攻法でなく分けの分からない仕掛けをするチームだろうと思っていた。

 オープンハウスは確かに分けの分からない仕掛けをした。しかし、まさか勝つとは夢にも思わなかった。北原の高速スライダーは通用すると思ったが、力と力の勝負を挑めばどこかでほころびが生じると考えていたからだ。しかし、先発は北原でなかった。これまで失点を重ねていた土肥だった。これが分けが分からない。

 その土肥が3回を無失点で切り抜けた。これには驚いたし、信じられない。しかし、土肥は捨て身でかかったのだろう。とにかくテンポがよかった。「投げるのが速すぎる」(球が速いという意味ではない)と主審から注意を受けたそうだが、あれは作戦か。打者にしてみれば考える間もなかった。

 その土肥を佐藤監督はスパッとエース北原に切り替えた。普通なら「3回持ったらもう1回」と続投を考えるのかもしれないが、佐藤監督は最初からこの戦略を考えていたのだろう。まったく躊躇することがなかった。旭化成もこの交代には戸惑ったはずだ。これもわけが分からない。

 そして何より、無失点で切り抜けるごとにまるで優勝したかのようにはしゃぐナインも分けが分からなかった。同点の2ランを放った塚中自身もナインもまた分けが分からなかったのではないか。野球の面白さはここにある。

 分けが分からないと書いたが、分からないのは記者と旭化成ホームズナインかも知れない。佐藤監督以下、しっかり戦略を練っていたのは間違いない。練習試合もたくさんこなし、しかも強豪とばかり戦ってきた。守備も打撃もアップしている。しかし、それでも7〜9番で3安打3打点とは驚きだ。

 他のチームも今日のオープンハウスの戦いぶりは参考になるはずだ。旭化成ホームズと同じ土俵の上で戦ったのではまず勝てない。

 
土肥(左から2人目)の好投を称えるオープンハウスナインと万歳をする渡辺主将


オープンハウスの応援団

 

(牧田司記者 平成23年7月7日)