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 全120区画の1〜3期64戸が即日完売

飯田産業「ハートフルタウン豊田」


「ハートフルタウン豊田」

 

 飯田産業の同社としてはリーマンショック後としては初の大型戸建てプロジェクト「ハートフルタウン豊田 パークアラウンドヒルズ」を見学した。今年に入ってから3期に分けた64戸が全て即日完売するなど、極めて好調な売れ行きを見せている。

 物件は、JR中央線豊田駅から徒歩14分、または京王線平山城址公園駅から徒歩12分、日野市東平山3丁目に位置する全120区画の団地。分譲済みの3期1次(12戸)の1区画当たり土地面積は125.84 u〜132.54u、建物面積は92.32u〜94.60u、価格は3,310万〜3,780万円(最多価格帯3,600万円台)。用途地域は第1種低層住居専用地域、建ぺい率40%、容積率80%地域。構造・工法は木造サイディング貼りルーフィング葺・I.D.S- X型工法。入居予定は2011年4月。

 現地は、JRの社宅跡地で、リーマンショック後、入札(応札は同社を含め2社)によって同社が用地を取得。大型団地の特性を生かし、市の指導により1区画当たり平均130uを確保、建物面積も92u以上とし、一次取得層でも取得が容易な3,000万円台半ばに価格を抑えることができたのが人気の要因だ。

 同社戸建事業部副部長・高橋貴広氏は、「100棟超の大型は久々の供給だったが、やはり大型団地は集客力がある。売れ行きも非常にいい。購入者は30歳代が圧倒的に多いが、キャッシュで買われる高齢者の方もいる。当社のオリジナル工法のI.D.S- X型工法を採用した住宅性能が評価されている」と語った。

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 同社の建売住宅を久々に見学した。同社独自の I.D.S- X型工法も建築中の現場で見学した。どちらかといえば、現場で柱や梁を組み合わせていく軸組み工法というよりは、パネルを貼っていくパネル工法に限りなく近い。建物の精度が高いはずだ。

 外構、設備仕様などはデベロッパーやハウスメーカーのそれとはやはり劣るといわざるを得ないが、高橋氏は「そもそもハウスメーカーなどとはコンセプトが異なる。大量仕入れによりコストを徹底して削減し、外構など価格アップ要因になるものも低く抑えている。設備仕様もオプションを用意して『お客さまの好みの色に染めてください』と説明している」と、大手デベロッパーなどの戸建てとは一線を画していることを強調した。

 確かに昔と違い、最近の若い戸建て取得層は、飲まず食わずでお金をため、価格が高い住宅を購入しなくなったのだろう。外構が貧弱だろうが、デザイン・設備仕様が劣ろうが、基本性能が整っていれば良しとする考えが主流になっているのかもしれない。われわれがとやかく言う問題ではないのだろう。

 それにしても、豊田駅圏、平山城址駅圏の建売住宅の価格が3,000万円台の半ばだとは、昭和50〜60年代の建売住宅をたくさん見学して記者には信じられない安さだ。当時と比べれば、相場としては半値以下か3分の1の価格だ。


 工事現場(大工さんに「パネルの重さは4キロぐらいと聞いたら「もっと重い」とのことだった。10キロはあるのだろうか)

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 記者などの業界関係者は、同社をはじめ一建設、アーネストワン、東栄住宅、タクトホーム、ファースト住建の6社を、創業社長が一建設(旧社名は飯田建設工業)出身者であることから「一建設グループ」あるいは「飯田グループ」と呼ぶが、高橋氏は「それぞれが完全に独立している会社。一建設のグループ会社のように扱われるのは不愉快。どこよりも技術開発、研究に力を入れているという自負もある」と語った。

 高橋氏のいう通りだろう。これからは「一建設グループ」「飯田グループ」という呼び方はやめることにした。「飯田OB会社」とするのが適当かもしれない。


提供公園「豊田電車区公園」

(牧田 司 記者 2011年2月18日)