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JKK東京 「住戸改善モデル事業」による賃貸住宅募集


リフォーム後のキッチン(Bタイプ)

空き家4戸をバリアフリー化、設備更新 賃料は若干アップ

 JKK東京(東京都住宅供給公社)が募集を始めた、立川市の同公社賃貸住宅の空き家を高齢者向けなどにリフォームした「住戸改善モデル事業」オープンハウスを見学した。

 住戸改善モデル事業は、高齢者世帯、子育て世帯など住宅確保要配慮者向けに耐震改修工事、バリアフリー改修工事、省エネルギー改修工事を施した空き家1戸に対し最高100万円の補助を行なう国交省の「住宅セーフティネット整備推進事業」を活用したもので、今回募集を行なっているのは、JR立川駅からバス約7分、バス停から徒歩3分の「富士見町住宅」。

 昭和40年代の前半に建設された全750戸の団地で、専用面積は約34uの1K。バリアフリー化工事や引き戸を採用したAタイプ3戸と、さらに複層ペアガラスを採用し、キッチン、浴槽もグレードアップしたBタイプの1戸があり、家賃はAタイプが53,000円、Bタイプが61,500円。敷金は2ヶ月分で、礼金、更新料はなし。

 申し込み資格は、 @同居者に18歳未満の子がいる子育て世帯A申込者が60歳以上の高齢者世帯B障がい者がいる世帯C世帯の月額所得(様々な控除を除いた額)が214,000円を超えない世帯−などのいずれか。

 申し込みは21日〜23日、午前10時〜午後3時まで現地で受け付けられる。問い合わせは現地案内所 080-3485-2511へ。

    
リフォーム前の既存住宅

     
リフォーム後の住居内

◇    ◆    ◇

 記者は、昭和30年代に建設された旧公団賃貸住宅に入居していたことがあるので、昭和40年代に建設されたこの団地を懐かしく見学した。建物はエレベータなしの中階段方式の5階建て。既存住戸のエントランス、玄関ドア、サッシなどの高さは約1800ミリと低い。浴室も1100×1600と狭く、浴槽はまたぎ部分も高い700×800サイズ。キッチンも調理スペースがほとんどないものだ。

 今回リフォームされたものは、玄関ドア、サッシなどの基本設備は更新されていないが、床はシート張りになっており、引き戸は全て開ける側も閉める側もソフトクローズ機能付き。洗濯機置き場も設置した。各所に手すりも付いており、高齢者入居に配慮しているのが特徴。

 とくにBタイプのトイレは車椅子利用も想定して洋室と接した部分は壁が取り払えるようにし、サッシはペアガラスを採用。キッチンは昇降キャビネット付きだ。

 細かな配慮では、引き戸の掘り込み把手部分は把手の中にある仕切りが自在に動くので、力がない高齢者でも比較的容易に開け閉めができるようになっている。

 家賃は、既存の賃貸と比べると9,000円〜17,000円ぐらい高くなっているが、1坪当たりに換算するとAタイプは約5,000円と安い。

 申し込み開始初日の21日だけで団地内の居住者中心に25組の見学者があったという。既存住宅は人気があり、空きが発生するとすぐ埋まるという。


富士見町住宅

(牧田 司記者 2011年12月22日)