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文句なしにいい三菱地所レジデンス 「スマート セレクト構想」

第一弾 「ザ・パークハウス茅ヶ崎東海岸南」


「ザ・パークハウス茅ヶ崎東海岸南」完成予想図

 三菱地所レジデンスは昨年の今ごろマンションの概念を変える「吉祥寺 OIKOS (オイコス)」を発表して話題となったが、今度はスケルトン・インフィルを利用して自分の好みのプランが選べるなどの次世代マンション構想「スマート セレクト構想」を打ち出し、その第一弾プロジェクト「ザ・パークハウス茅ヶ崎東海岸南」を分譲する。物件は外観も内装も白を基調にしたもので、柱・梁型をなくすなどデザイン性が極めて高い。プランも無償のベーシックプラン3タイプと無印良品が提案するコンセプトプラン5タイプの中から選べるというシステムもいい。無印良品の提案プランは15万〜40万円程度の費用負担で済む。

 物件は、JR東海道本線・相模線茅ヶ崎駅から徒歩16分、茅ヶ崎市東海岸南1丁目の第一種低層住居専用地域に位置する3階建て全35戸の規模。専有面積は71.71〜79.17u、予定価格は3900万円台〜5600万円台(最多価格帯4500万円台) 、予定坪単価は207〜208万円。竣工予定は平成24年9月下旬。施工は馬淵建設。総合デザイン監修は「みかんぐみ」。分譲は12月中旬の予定。

 何がいいかだが、まず物件そのものがいい。デザイン監修はみかんぐみ。記者はこの会社を知らなかったのだが、主な作品として「 SHIBUYA-AX 」「愛・地球博トヨタグループ館」や「横浜開国博Y150はじまりの森」などがある。

 外観も内装も「白」だ。モデルルームの模型を見て、息をのんだ。これまでたくさんマンションを見てきたが、外観も内装も白というのは珍しい。しかし、その意図はすぐ読み取れた。記者は油絵を描くが、キャンパスは(例外もあるが)白だ。真っ白な白に様々な色を塗りこめて作品に仕上げるように、マンションも自分の好みのレイアウトにするには白がいいし、白はどのような家具にも似合う。

 (参考までに、内装が白のマンションについて触れるが、小田急不動産が分譲し、圧倒的な人気を呼んだ小田急線のマンションを思い出す。床から壁、内装材にいたるまで全て白だった。共用部分のデザインは白一色ではなく、逆にモンドリアンの抽象画を見るような意匠だったのも鮮明に記憶に残っている。もう一つは、大京が昨年分譲し人気になった「セルフィスタ渋谷」だ。これも内装が全てが白だった)

 もう一つはSIだ。これは目新しくはないが、パイプスペースを専有部の外に集約することでメンテナンスを容易にするとともに、二重床・二重天井のふところ厚を十分確保し、なおかつ柱・梁型が出ないようにしている。廊下などの天井高も2,400ミリ確保している。サッシも天井までのハイサッシを採用している。

 このように意匠・デザインがよく、居住性能がいいのがこのマンションの特徴だが、さらにいいのが無印良品のプラン提案だ。三菱地所レジデンスはオーソドックスなベーシックプランを3タイプ用意し、そのほか5タイプを無印良品が提案している。合計8タイプの中から自分の好みのプランが選べるようになっている。無印良品のプランを選択した場合も、費用負担は15万〜40万円程度で済む。

 無印良品の提案を紹介すると、小家族向けのプランでは、サーフボードやロードバイクも飾れる土間を設置し、風呂は海の音を聞きながら入れるようにし、さらにホームパーティができるようにセンターキッチンを提案している。(記者はサーフィンのどこがいいのだろうと思うが)サーフボードの手入れが出来る土間からウエットスーツを脱いで風呂に入れるプランもある。廊下や壁面全面が書棚などの収納スペースになり、洗面室が寝室、リビングダイニングにつながっているホテルのようなプランもある。

  
モデルルーム

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 坪単価は決して安くはない。昨日紹介した「辻堂海浜公園」は坪単価150万円強だ。坪50万円以上の差がある。しかし、この差はコンセプト、ターゲットの差だ。居住性能、設備仕様など総合的に評価すればこの207〜208万円という単価は納得できる。外構・植栽計画も優れている。 立地の特性を最大限に引き出した秀逸マンションだ。

 同社は藤和不動産を吸収したことで供給トップになったが、記者は供給トップの価値などたいしてないと思う。それよりも先の「 OIKOS 」や今回の「スマート セレクト構想」などのような他社にはできない商品を供給することが企業価値を高めると思う。これも「スタイルハウス」と呼ぶ自由設計マンションを地道に手がけてきた成果なのだろう。

      
モデルルーム

(牧田 司記者 2011年11月16日)