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自分の部屋を持つと居心地はよくなるか アットホームの調査

 アットホームがまとめた「夫の部屋の有無」と「自宅の居心地」に関するアンケート調査結果に関する記事が業界紙で報じられた。都内に勤める1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)在住の30〜50歳代既婚サラリーマン600名を対象に、自宅に自分(夫)の部屋があるかどうかや「居心地」がいいかどうかを聞いたもので、興味深く読んだ。

 調査によると、自宅に自分(夫)専用の部屋がある人は全体の38.2%で、持家と賃貸では、持家が47.0%と半数近くに達し、賃貸は29.3%と3割を切った。逆に、妻専用の部屋があると答えたのは22.0%で、夫の部屋保有率よりも16.2ポイント低かった。

 夫が自分専用の部屋を持つ理由としては「趣味」が52.8%、「一人になれる静かな場所」が35.4%だった。次の住み替え時も「自分専用の部屋がほしい」と答えた人は57.1%にのぼった。

 広さ、間取り、設備など住空間としての自宅の評価は、全体平均で3.1点(5段階評価)となり、持家の平均は3.3点、賃貸の平均は2.8点だった。自宅での「居心地の良さ」は平均 3.5点で、持家の平均は3.7点、賃貸の平均は3.3点だった。自分専用の部屋がある人は平均3.7点、ない人は3.4点だった。

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 自分専用の部屋がある人が38%と高いのには驚いた。調査は、マンションか戸建てかの区別は分からないが、マンションでは夫専用の部屋を持っている人はそれほど多くないと思う。

 妻の部屋の保有率が夫より16.2ポイントも低いのも驚いた。自分(夫)だけ部屋を持ち、妻には与えないというのは不公平だろうし、そんなに夫の力は強いのだろうか。むしろ逆に、妻に見放され、狭い個室に閉じ込められている夫の姿を想像してしまう。

 5段階評価で「居心地」が3点台というのはよく分かる。それだけ住宅に対する不満が多いということだろう。自分(夫あるいは妻)専用の部屋を持っているとそうでない人の「居心地」は、持っている人が3.7点、そうでない人が3.4点。その差は0.3点しかない。もっと広がると思っていたが、結果はそれほどでもなかった。これは意外だ。

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 これからは夫も妻も独自の居住空間を持つ時代だろうと思う。それぞれが仕事を持てばライフサイクルは異なってくるし、趣味などに利用できる独自のスペースもほしくなる。熟年になれば、お互いの顔も見たくないという夫婦は間違いなく増える。こうしたニーズにデベロッパーもハウスメーカーも積極的に応えるべきだろう。

 大和ハウスは、女性のための住空間「コクームスペース」を盛り込んだ戸建住宅「 xevo (ジーヴォ)」を今年から発売しているが、人気になっているのではないか。

大和ハウス 女性のための住空間「コクーム」発表(2010/11/24)

(牧田 司記者 2011年11月15日)