RBA HOME> RBAタイムズHOME >2011年 >

グローベルス 1億円キャンペーンで認知度アップ図る


「グローベル ザ・ガーデン 新宿西落合」完成予想図

 「上場50周年ありがとうキャンペーン」として100万円×100本、総額1億円プレゼントを行なうグローベルスのマンション「グローベル ザ・ガーデン 新宿西落合」と「グローベルス ザ・マークス目白」のモデルルームを見学した。

 「新宿西落合」の物件は、都営大江戸線落合南長崎駅から徒歩6分、新宿区西落合1丁目に位置する7階建て全46戸の規模。現在分譲中の6戸は専有面積45.15〜70.20u、価格は3,550万〜5,750万円、坪単価は275万円。竣工予定は平成24年3月28日。設計・監理はフォルム建築計画研究所。施工は東急建設。

 「目白」の物件は、西武池袋線椎名町駅から徒歩5分、豊島区目白5丁目に位置する12階建て全43戸の規模。現在分譲中の4戸の専有面積は38.16〜71.19u、価格は2,790万〜5,680万円、坪単価は275万円。竣工予定は平成23年12月15日。設計・監理はトータルブレイン。施工は名工建設。事業主は東急不動産。

◇    ◆    ◇

 取材の目的は、物件の商品企画もさることながら、キャンペーンの狙いや前社長の久永真一氏から現社長のカーティス・フリーズ氏に代わってどのような路線を敷くのかを探るためだった。

 まず物件についてだが、「新宿西落合」は、過去6年間マンションの供給がなかった「西落合」がアドレスで、二重床・二重天井、ワイドスパン、ディスポーザ、食洗機、ホーローキッチンパネルアイラック収納が標準装備。

 「目白」は、東急不動産が商品化した物件で、同社が買い取り、水周り部分などに手を加え販売するもの。敷地の西側の一部は山手通りに面しているが、東南側は住居系用途地域で、中層階からも都心方向の眺望が望める。「目白」アドレスの供給物件は極めて少ないのも特徴だ。住戸プランは、38uのタイプのみが5,670oスパンだが、他の4タイプは全て7,200〜9,680oのワイドスパンだ。

 設計・監理のトータルブレインの久光龍彦社長は、長谷川工務店(現長谷工コーポレーション)の専務を経て、デベロッパーの長谷工不動産、不動産流通・販売会社の長谷工アーベスト、マンション管理の長谷工コミュニティの社長を歴任した後、マンションのコンサルティング・設計を主業務とする同社を立ち上げた、マンションの川上から川下まで知り尽くしている業界名物男≠セ。

◇    ◆    ◇

 キャンペーンは、もちろんマンションの販促もあるが、上場50周年を迎えたのをきっかけに同社の認知度を高めようという狙いもあるようだ。

 確かに、同社は長い歴史があるにもかかわらず一般の認知度は低い。少し長くなるが、同社の歴史を振り返ってみる。

 創業(当時は井波機業)は昭和12年というから、上場不動産業の中で10指に入るぐらい歴史がある会社だ。その後、昭和36年に「カロリナ」に商号を変更し、大証に上場したのは昭和36年。東証に上場したのはその翌年だ。昭和50年代〜60年代にかけては「仕手株」として市場を賑わし、平成2年に商号を「かろりーな」に変更。

 そして、平成3年、大京と業務提携を結び不動産業に参入したのだが、この時期が最悪だった。当時はバブルの余韻が残っていた時代で、まさかその後の氷河期が待ち受けているとは関係者は予想だにしなかったはずだが、同社の業績は低空飛行を続けた。大京グループとして「ライオンズモリス」から「ライオンズグローベルス」にブランド名を変え、さらに商号も平成13年に「グローベルス」に変更した。

 平成19年には大京グループから離脱し、自主独立路線を歩むのだが、その矢先にリーマンショックだ。平成20年8月にはアゼルとの合併を発表したが、同年11月に合併はご破算となる。平成21年にはアゼルは破たんした。平成12年から社長を務めていた久永真一氏は昨年6月退任し、カーティス・フリーズ氏が社長に就任した。長い間、同社の株主上位に消費者金融の武富士の故武井保雄会長の資産管理会社が名を連ねていた。

 こうして振り返ってみると、まさに波乱万丈の歴史だ。上場後3度も社名を変え、バブル崩壊にもリーマンショックにも耐えたことを考えれば、よくぞやったという評価も出来る。ちなみに、上場後に社名を3度も変えたのは、不動産業では日榮住宅資材−日榮不動産−ナイス日榮−ナイスがある。

◇    ◆    ◇

 キャンペーンの効果は絶大のようだ。応募締め切りの11月20日を待たずに応募件数は100件を越えているという。当選者は年末までに対象6物件の売買契約を結ぶことが条件になっており、当選者が全て同社のマンションを購入するとなると100戸が売れることになる。

 今後の路線については、それほど大きな変更はない模様だ。居住性を高めるためワイドスパンは継続し、事前の市場調査にも力を入れていくという。


「グローベルス ザ・マークス目白」完成予想図

(牧田 司記者 2011年11月11日)