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都心5カ所に「総合マンションギャラリー」 住友不動産


「総合マンションギャラリー 秋葉原館 ウェイティングコーナー

 住友不動産は10月27日、同社が首都圏で販売する全てのマンションの物件情報案内する「総合マンションギャラリー」を都心5ターミナル駅の新宿・渋谷・池袋・秋葉原・田町の徒歩圏に新設し、10月29日(土)5館同時にオープンすると発表した。

 「総合マンションギャラリー」は、モデルルームを一つひとつ回らなくても済むよう、同社が販売中の主に23区内の物件が検討でき、インターネットでは得られない環境・間取り・設備・インテリアの情報を提供し、実際に体感ができるようになっている。購入に関する相談も行なう。

 新設するのは、@新宿区西新宿2−6−1 新宿住友ビル1F・5FA渋谷区渋谷1−7−7 住友不動産青山通りビル11FB豊島区東池袋1−10−1 住友池袋駅前ビル6FC千代田区外神田1−5−4D港区芝2−7−17 住友芝公園ビル3 〜 5F 。5カ所全ての延べ床面積は約5000坪、スタッフは60人。営業時間は10時〜20時で無休。


秋葉原館 ミーティングコーナー

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 自社が分譲する物件を紹介する店舗を構えていたデベロッパーは過去にもあったが、これほど大規模で、しかも無休のマンションギャラリーは初めてだ。記者発表会は「秋葉原館」で行なわれたが、その規模に驚愕した。同社の広報責任者から「迷わないように」と声をかけられたぐらいだからその大きさが分かろうというものだ。 1階から4階までがコンシェルジュコーナー、タッチパネル、パンフレット閲覧コーナー、コンセプトシアター、ミーティングコーナー、インテリアコーナー、展示コーナーになっていた。展示コーナーにはミストサウナのブースもあり、キッズルームもある。


記者発表会が行われた秋葉原館

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 記者は、見て回りながら「一体、これらのスペースを借りるとすればいくらかかるだろう」と、よけいなお世話だがそろばんをはじいた。ビルの賃料のことはよく分からないが5館平均すると坪2万円とはじいた。質疑応答では返事はないだろうと思いつつ、@賃料に換算したらいくらかA従来方式の個別マンションモデルルーム設置と比較した場合のコストの増減と配置人員B「グランドヒルズ」のような富裕層はこのような施設は敬遠するのではないか−−などを聞いた。

 これについて、記者発表会に臨んだ同社執行役員マンション事業本部事業統括部長・岡田時之氏は「全て自社ビルなので賃料ははじいたことはないが、新設に際して9億円を投資した。コスト計算もしたが従来方式と比べそれほど差はない。確かに富裕層向けは工夫が必要かも」と応えた。

 岡田氏が話したように、1つのマンションについて販売事務所を設けるのにはかなりの経費がかかる。同社のように年間4,000戸も販売するのだから10億円はかかると読んだが、そんなに的は外れていないはずだ。

 ならば、潜在的な顧客の掘り起こしも可能なこのような常設モデルルームは大きな効果があると思うし、様々なイベントなどを行って集客力を高めれば従来方式より効果を挙げる可能性もあると見た。それにしても自社ビルとはいえ、借りれば毎年5,000(坪)×2(1坪当たり賃料:万円=10億円はかかりそうなマンションギャラリーをよくつくったものだ。もとろん維持管理費、人件費などは別だ。

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 これほど思い切ったことをする力が同社にあるのなら、一つ提案したい。5館のどこでもいいから、マンションや不動産、住宅、建築などに関する書籍を集め、一般の人から学生、研究者などに開放するスペースを設けたらどうだろう。住友グループや同業などに声をかければ相当の書籍が集まるのではないか。同社の社会的評価は飛躍的に高まるのではないか。


挨拶する岡田氏(中央)

(牧田 司 記者 2011年10月28日)