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旭化成ホームズ 2.5階建てのような新商品

「ヘーベルハウス スカイコテージのある家 天空こども城」発売


プロトタイプ完成予想図(3階建てに見えない外観もミソ)

 旭化成ホームズは10月25日、2階建てプラス α の外部空間と内部空間を一体化させた「スカイコテージ」を設けた2世帯向け都市型住宅「ヘーベルハウス スカイコテージのある家 天空こども城」を11月 3日から発売すると発表した。建ぺい率60%、容積率200%、敷地が35坪ぐらいの住宅地に住む層が主なターゲット。

 2階の屋上に外部(天空)とつながりながらもプライバシーを確保する工夫を施した「みんなの庭」と名付けた屋上庭園を設置し、この屋上庭園と一体的につながった3階部分の「みんなの間」と名付けた広さ約9.7坪の居室を設けたのが特徴。「みんなの間」と「みんなの庭」は全面開放可能な窓「フォールディングウィンドウ」でつなぎ、奥行き約1.8mの深い庇「スカイキャノピー」も設置。「みんなの庭」は、高さ約1.9mの「スカイウォール」で囲むことにより、プライバシーを確保するとともに近隣のプライバシーを侵害しないという工夫を凝らした。

 記者発表会に臨んだ同社取締役副社長執行役員・池田英輔氏は、「私はネーミングは大げさだと思っていますが『ジブリ』ではありません」と笑いを取った後、「プライバシーを確保しつつ近隣のプライバシーも侵害しない爽快な空間が出来上がった」と自画自賛した。

 本体価格はプロトタイプで4,260万円(延べ床面積約48.2坪、太陽光発電システム2.3kW、消費税込み)、初年度は年間 300 棟の販売を目指す。

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 面白い商品だ。まずネーミングがいい。「天空こども城」は覚えやすく、アピールしやすい。池田副社長は「大げさすぎる」といったが、「してやったり」と思っているはずだ。

 2階建ての単なる屋上では利用価値が低いし、3階建てにしなければならないような狭小敷地ではなく、普通の住宅地に住む居住者には受け入れられるはずだ。多目的に利用できる9.7畳大の空間と庭が一体利用できるのもいい。「同じような仕様の屋上テラス付き2階建てと比べ150万円ぐらい高い」というのも、この空間の利用価値を考えれば安いのではないか。


スカイコテージ(完成予想図)

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 3階建ての圧迫感を軽減するため、道路側を大きな斜線カットとし「2階の上の大屋根」のように見える外観の工夫もそうだが、「なるほど」と思ったのが、9〜10坪の「みんなの庭」だ。キャノピーの庇の奥行きは約1.8mだ。つまり、庭の半分は3方が壁(窓付き)と庇で覆われる。これは容積に算入されるかどうかだ。

 この点について、担当者は「自治体によっては容積算入されるかもしれないが、壁が柱に認定されなければ容積率には入らないと考えている」と語った。

 マンションなどのバルコニーでは、奥行きが2mを越えない部分は容積に算入されず、それを越える部分については構造などによっては容積に算入されるケースもある。


外観(完成予想図)

(牧田 司 記者 2011年10月25日)